【タブー全開!政界斬鉄剣】(02) 『戦後70年談話』に中国政府が黙した理由は、『9.3抗日戦争勝利記念日』に安倍首相を招く為だった!

今回は、安倍首相の『戦後70年談話』の背景に斬り込みましょう! 国内では、「子や孫、その先の世代の子供たちに、謝罪を続ける宿命を負わせてはならない」といった部分が好意的に受け止められています。が、逆に中国や韓国・欧米のメディアでは批判的な報道が多いようです。その大きな理由は、「過去の談話を引き継ぐ」と言っただけで、安倍首相本人の意思が全く入っていなかったから。日本で70~80点くらいの評価を受けた内容の談話は、中韓のメディアから見れば20~30点くらいの評価です。それにも拘らず、中韓の政府はあまり騒ぎませんでした。何故でしょうか? 談話が発表されるまで、日本の新聞や評論家は、“植民地支配”“反省”“お詫び”党のワードが盛り込まれるかどうか、散々お祭り騒ぎをしていました。結果、彼らの“期待通り”、周辺国から猛烈に非難されそうな内容の談話となった。なのに、中国も韓国も静かなのです。そうしたら、日本のマスコミも静かになっちゃった。中韓が大人しい理由がわからないからです。このように、報道がズレてしまった理由は、以下のことを重要視してしまった為です。

①『原爆の日』の式典での首相の演説“内容”
②『戦後70年談話』の“内容”
③首相の靖国神社参拝があるかないか

実は今回、この3点は中韓両政府のリアクションを占う為の材料にはなっていませんでした。彼らが今回の談話に静観している“謎”を解くヒントは、アメリカ政府の行動にあります。

結論から先に言うと、“戦後70年”が問題視され、それに伴って日中関係が悪化することを、アメリカが猛烈に望んでいなかったのです。そして、日本政府も安倍首相も、勿論中国政府も、序でに韓国政府も、このアメリカの意志を重く受け止めたのです。順を追って説明しましょう。先ず、『原爆の日』の式典について。去る8月6日と9日、広島と長崎で開催された式典で注目すべきだったのは、安倍首相が演説で“過去の反省”や“非核3原則”の堅持等に触れるか否かではなかった。最大のポイントは、アメリカからゴッテモラー国務次官が正式参加したことだったのです。国務次官という役職は、アメリカ国務省の事務方のトップ。日本で言うと外務省と総務省を足したような、外交と安全保障政策等を司る強力な機関です。キャロライン・ケネディ駐日大使より事実上“格上”なんです。「いや、大統領や国務長官よりは“下”じゃないか」と思う方もいるでしょう。しかし、広島と長崎の式典は“市”の主催です。外交儀礼上、地方自治体主催のイベントにアメリカが送り込める“最高位”が、国務次官だったのです。なのに、一般報道ではゴッテモラーさんの“史上初参加”には一切の解説が行われず、ケネディ駐日大使に注目しちゃう始末。そんな日本の残念な報道はさて置き、原爆を2度も投下した当事国であるアメリカが本国政府の高官を“史上初”参加させたのには、重大で明確な意図があります。それは何か?




伏線は、尖閣諸島問題にまで遡ります。国力を増して自信をつけた中国は、尖閣問題以降、日本にちょっかいを出し続けた。流石の日本国民もとうとう怒った。そのムードを利用して、イケイケになったのが安倍首相です。しかし、アメリカは日本にこう言った筈です。「お前、中国とサシで戦う覚悟はあるのか? 尖閣諸島が日米安保の範囲内にあるとコメントしておくから、大人しくしとけ」と。それを呑んだ安倍首相サイドが貰った手土産の1つが、アメリカ上下両院合同議会での演説(今年4月)だったのでしょう。その場で「安保法案を夏までにやる」と宣言しちゃったのも、そんな流れがあってのことだと考えればわかり易い。一方の中国も、アメリカに正面切って「ノー」と言うのは流石にマズい。だったら、「ここはアメリカの顔を立て、他の米中間の問題を有利にしてやろう」となったのでしょう。その手始めに中国がアメリカに要求したのが、来る9月3日の『抗日戦争勝利記念日』の行事(北京)に、日本の首相を“初参加”させることだった筈です。それが実現できれば、中国国内は改めて「中国は戦勝国なんだ!」と最高に盛り上がる。権力基盤を強化したい習近平政権には大チャンスです。しかも、元々一方的にケンカ腰だった対日感情が良くなれば、自然に日本の対中感情も和らぐ。そうなれば経済的なメリットも大きく、失速気味の中国経済を盛り返す期待も持てるからです。安倍首相が来てくれさえすれば、特別な謝罪の言葉は無くてもお辞儀をするだけで、中国国民からは“歴史的な意義”と受け止められるでしょう。そしてアメリカは、この中国からの要求を日本に納得させる為に、広島・長崎に国務次官を行かせたのです。原爆に関して加害国であるアメリカが、日本の式典に高官を初参加させれば、中国に対して加害国である日本の代表が中国の式典に初参加できる道筋ができる。中国に対しても、「加害国のアメリカが広島・長崎に行っても、日本人は騒がなかった。だから、お前の国でもマスコミや国民を静かにさせとけよ」と言える。

前回、私が“予言”したように、「ゴッテモラーが広島と長崎に来る」という発表を聞いた瞬間、私は「安倍首相は訪中させられるな」と思いました。この一連のやり取りにおけるアメリカの要求はただ1つ。「日本も中国も“戦後○年問題”は終わりにしろ。そして、これ以上揉めるな!」です。勿論、安倍首相は中国に行きたくないし、中国も“歴史問題”という強力な対日専用の外交カードを失いたくない。しかし、中国はメリットとデメリットを冷徹に秤にかけた結果、「そのカードを捨てるだけのメリットがある」と判断したのでしょう。アメリカは、“序でに”韓国にもクギを刺した筈です。「安倍談話に強いケチはつけるなよ」と。その交換条件として、10月に米韓首脳会談をしてあげることにした筈です。要するに、「首相談話にどんなワードを含めるか?」は最初から中韓政府にとってどうでもよかったんです。“植民地支配”“反省”“お詫び”等といった言葉が入るのかどうかにばかり注目していた新聞や野党の政治家たちは、日本を取り巻く情勢が全く見えていなかった訳です。ここまでくれば、靖国参拝の可能性など最初からあり得なかったこともわかる筈です。日中関係の改善こそがアメリカの強い意向なのだから。日本の“戦後○年問題”は事実上、この夏で終わりました。先の大戦で日本に完全勝利を収めたアメリカ自身が、改めて“戦後”の終わりを行動で表明したのですから。このような舞台裏に依り、「安倍首相は9月3日の“抗日戦争勝利記念日”の行事に参加する」と私は予言したのです。しかし、子供でも知っていることですが、我々の曾お爺さんやお爺さんたちが戦ったのは『中華民国』(現在の台湾政府)であって、中国共産党軍や中華人民共和国の人民解放軍ではないんですけどね…。戦ってもいない相手の式典に参加しなきゃならんとは、つくづく情けない。今の日本は、中国と対峙するか融和するかも自国で判断ができず、アメリカの意向に従わざるを得ないのが現状です。外交の自主性が無く、最早独立した主権国家の体を成していません。しかし悲しいかな、日・米・中のリアルな状況を見ると、今の日本に選択の余地はありません。それでも万が一、安倍首相とその周辺が驚異の“外交的な理解力の低さ”を露呈してしまった場合――つまり、『抗日戦争勝利記念日』の行事に参加しないことになった場合、日本の立場はどうなってしまうのか? これについては、状況を見ながら今後解説しましょう。


池田和隆(いけだ・かずたか) 元農林水産大臣秘書官。1967年、熊本県生まれ。“農水族議員のドン”と呼ばれた松岡利勝農林水産大臣(故人)の秘書を16年間務め、国家権力や利権・国の意思決定の実態を内側から目撃してきた重要人物。


キャプチャ  2015年9月7日号掲載


スポンサーサイト

テーマ : 中国問題
ジャンル : 政治・経済

Categories
Profile

KNDIC

Author:KNDIC
Welcome to my blog.

Latest articles
Archives
Counter
I'm participating in the ranking.

FC2Blog Ranking

information
Search
RSS Links
Link
QR Code
QR