【カオスを飲み干せ!挑発的ニッポン革命計画】(32) SNSは今や“血”を見たい連中が集うコロセウムと化している!

インターネットがまだ一般的ではなかった1990年代中頃に誕生した『あやしいわーるど』というアンダーグラウンド系サイトをご存知でしょうか? 『2ちゃんねる』の原形になったような匿名掲示板で、ユーザー同士が公序良俗に反するタブーな情報を書き込み合っていました。当初はそれなりの知識が無いとサイトに辿り着くことすらできなかったので、ユーザーのITリテラシーや知的レベルも高く、“秘密クラブ”のような面があった。匿名掲示板特有の露悪的な雰囲気の中にも「聖域を守ろう」という意識があり、程良く秩序が保たれていました。ところが、次第に有名になってユーザー数が拡大するに連れ、ただ罵倒するだけ、場を荒らすだけの人が増え、言論空間は徐々に綻び始めます。そして、すっかり荒れ果てた2000年代初頭、サイトは閉鎖してしまいました。

それから15年近く経った今、同じようなことが起きています。スマホの普及で多くの人が自分の意見を手軽に発信できるようになった結果、ツイッターやフェイスブックは「友だちを見つける」「建設的な話をする」といった当初の使い方から大きく離れ、極端な主張の温床となり、人々を政治的に扇動する為の道具と化しているのが現実。そんな空間に疲れた人・嫌気が差した人は段々離脱しつつあり、残った人々はより攻撃的に罵り合いを続けているといった状況です。そうした衆愚的空間の中で、最近では実名で言論活動をしている僕のような人間に妙な期待を寄せる人も多くなってきました。例えば原発問題にしろ安保法制にしろ、僕と考えの異なる言論人や政治家は沢山います。「そういう人を信じるも信じないも個人の自由」というのが僕のスタンスですが、中には「そんな馬鹿な奴は追い込んでやれ!」とばかり、僕を“代理人”に見立てて戦わせようとする人がいる。古代ローマのコロセウムで、ネロ皇帝がクリスチャンを猛獣に食わせたり、人間同士を戦わせたりしたことに熱狂した群衆と同じかもしれませんが、「“血”を見たい」という欲望をひしひしと感じるんです。




彼らの多くは、自分は匿名で何もしない癖に、勝手に誰かを神輿に乗せ、“敵”と戦わせて、「縁の下の力持ちだ」という自己満足に浸る。心の中に、血に飢えたモンスターが潜んでいることにも気づかずに。これはインターネットだけの問題ではありません。今やテレビや新聞といったマスメディアまでもが、インターネットで起きた不毛な論争や扇動に自ら首を突っ込み、確信犯的に巻き込まれるようになっている。SNSでの反応を気にするあまり、“RT”や“いいね!”や“シェア”される為だけに作ったような記事や報道が世に溢れています。人々が“群衆”になり、箍が外れる。それを見たメディアが、更なる炎上を期待して薪をくべる。すると、群衆の沸点が益々低くなる…。このような“箍外しビジネス”に一旦手を出してしまうと、点と点をきちんと繋げて、細切れにできないアナログなストーリーを組み立てるような力は失われてしまうでしょう。衆愚の極み。僕は正直、そんな中に飛び込む気はありません。


Morley Robertson 1963年、ニューヨーク生まれ。父はアメリカ人、母は日本人。東京大学理科一類に日本語受験で現役合格するも3ヵ月で中退し、ハーバード大学で電子音楽を学ぶ。卒業後はミュージシャン・国際ジャーナリスト・ラジオDJとして活動。現在、『NEWSザップ!』(BSスカパー!)・『モーリー・ロバートソンチャンネル』(ニコニコ生放送)・『Morley Robertson Show』(Block.FM)・『所さん!大変ですよ』(NHK総合テレビ)・『チャージ730!』(テレビ東京系・不定期)等に出演中。


キャプチャ  2015年10月5日号掲載


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