【誰がテレビを殺すのか】(09) テレビ広告の不都合な真実…収益多角化に活路はあるか

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それは、目を疑いたくなる数字だった。ある大手広告主が昨年、テレビ広告の効果を測定する為、一般家庭に調査をした時のことだ。調査では全国1000世帯以上を対象に、テレビの録画再生機に専用のモニター機器を設置。テレビで録画再生された番組を、視聴者がどのように見ているかを詳細に探った。何故、リアルタイムの視聴ではなく、録画した番組の視聴動向を調べるのか。それは、偏にテレビ局が視聴率の地盤沈下の言い訳として、「録画再生を足し合わせれば、番組はある程度見られている筈だ」と、これまで声高に主張してきたからだ。調査会社の『ビデオリサーチ』も、今年初めから番組の“録画再生率”の集計を本格的に開始。昨秋には試験データを公開し、リアルタイムでは視聴率が低かったドラマが一部上位に食い込む等、視聴行動の変化が窺える結果となった。一方で、録画した番組はCMをスキップして見るのが通常の為、広告主にとっては、どれだけ自分たちのCMがスキップされずに視聴されているかがなによりも重要になる。しかし、蓋を開けてみれば、1時間の番組中に4回あるCMの再生率は全体の15%前後(左図)。業界内では、それまで3割はCMを見ているとされていたものの、その半分しか実は再生されていなかった訳だ。更に言えば、15%という数字は、飽く迄も録画番組を再生した世帯を分母にしている。録画しても番組を再生していない世帯や、録画すらしていない世帯を母数に含めれば、再生率は僅か2%に留まる。テレビ局や広告代理店もそうした“不都合な真実”を理解しているのか、如何に録画再生率が高くても、それを「広告の営業資料として提示してくることは一切無い」(広告主)という。結局、「テレビはリアルタイムの視聴率が全て」という世界なのだ。一方で、2014年度に三冠王となった日本テレビでさえ、20年前には10%を超えていた全日視聴率(午前6時から午前0時まで)が、今は8%台という状況だ。民放を取り巻く環境が年々厳しさを増す中で、視聴率の潮減に依るダメージはテレビ局を徐々に蝕み始めている。特に、単発のスポット広告に影響が及んだ場合は死活問題になりかねない。何故か。簡単に解説していこう。

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先ず、スポット広告の取引にはGRP(延べ視聴率)という指標が使われる。直近4週間の世帯視聴率を基にして、10%の番組に5回CMを流せば50%、10回流せば100%という計算だ。GRPの単価は現在、民放キー局で7万円前後とされる。「今回は、1000GRPでどうでしょうか?」。新商品のPRを考える企業に広告代理店はそうした営業をかけ、ターゲットとする顧客にCMがしっかりと届くよう、曜日や時間帯の最適な割り振りを練り上げ、最後にテレビ局と調整をするというのが大きな流れだ。では、1000GRP分のCMを実際に流した時に、番組の入れ替え等に依って、仮にその時間帯の平均視聴率が20%から10%になってしまった場合はどうなるのか。結論から言えば、500GRP分しか結局は流れなかったとしてそれで終わりだ。「じゃあ、1000%に到達するように2倍の量のCMを流せばいいじゃないか」と思うかもしれないが、それは不可能だ。何故なら、『日本民間放送連盟』の自主基準に依って、週の全放送時間の18%分しかCMは流せないことになっているからだ。視聴率が落ちても、全てのスポット広告を注文通りのGRP分に到達させることは、枠の総量が決まっている為にできない訳だ。同じお金を払っても露出効果が半分になってしまっては、広告主にとっては痛手だ。その場合、アメリカ等の一部では返金をする仕組みもあるが、日本には無い。それどころか、その18%という限られた枠を巡って、広告主は今も争奪戦を繰り広げている。視聴率の低下で番組提供のタイム広告は減少しても、スポット広告だけは人気で、これまで大きく減少することがなかったのは、そうしたカラクリがある。フジテレビの場合、民放の収益を支える“最後の砦”だったそのスポット広告が今年に入って大きく減ったことが、初の営業赤字転落を招いたと言える。「250億円あるから。大丈夫です」。苦境のフジテレビにあって日枝久会長がそう強がってみせたのは、250億円を超える営業利益を稼いでおり、テレビ局頼みの一本足打法の経営ではないということをアピールする意図があったと見られる。確かに、フジテレビは『サンケイビル』に依る都市開発事業を始め、放送外収益が約4割を占めている。1割前後の日本テレビやテレビ朝日と比べても、その差は歴然だ。突出しているのはTBS。“赤坂不動産”と揶揄されるように、営業利益の半分近くが不動産に依る収益だ。最早、業種分類を不動産業に変えたほうがいいかもしれない水準と言える。こうして、民放のグループ連結の財務を眺めると、フジテレビの営業赤字についても特段騒ぎ立てることでもないように思えてしまうが、それは違う。単に、「テレビ局がグループの中核企業である」というだけではない。これまで、公共の電波を使うことで自らの知名度を高め、報道・情報番組を通じて形振り構わず子会社の手前味噌な宣伝を繰り返してきたからこそ、ここまで順調に収益を多角化することができたとも言えるのだ。メディアグループとしてのテレビ・放送事業の在り方とは何か。業界に改めて問い直す時期が来ている。

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【誰がテレビを殺すのか】(06) “巨艦”NETFLIXの上陸でフジテレビ・吉本興業が迫られた決断

テレビ凋落の背後にあるのが、インターネット配信の隆盛だ。有料の定額配信サービスの参入が相次ぐ中で、テレビはインターネットを味方に付けられるのか? それとも、窮地はより深まるのか?

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「これまでとは、桁が1つ違うじゃないか」――2014年秋、フジテレビの幹部は、眼前に提示されたある金額と条件に面食らっていた。それまでの業界水準と比べると、“破格のオファー”だった為だ。提案を持ち込んだのは、世界最大の定額動画配信サービス会社『NETFLIX』。当時、日本上陸への準備を進めている中でフジテレビにラブコールを送り、独占配信用のドラマ制作費として提示したものだった。その額は、「1話当たり凡そ4000万円」(フジテレビ関係者)。業界では、インターネット向けのドラマを制作するにしても、地上波よりも低コストの100万円単位の制作費に抑えるのが通常だった。そんな中でNETFLIXは、「人気の地上波ドラマの制作費である1話3000~4000万円に1割上乗せしてきた」(同)というのだ。年々、制作費が削減される中では尚更魅力的な価格だ。しかも、更に魅力的だったのは、NETFLIXが制作費を捻出しても、所有権はフジテレビにあることだった。NETFLIXが保有するのは、粗独占配信の権利だけ。フジテレビとしては地上波で放映することもできる為、まさに「良いこと尽くめ」(同)。飛び付かない手は無いように見えた。こうして、NETFLIXが日本でのサービスを開始した2015年9月2日に、2つのフジテレビ制作の作品が独占配信に名を連ねることとなった。人気シリーズの『テラスハウス』続編と、新作のドラマ『アンダーウェア』だ。これまではインターネットサービスへのコンテンツ提供に慎重だったフジテレビが、一歩踏み込んだ大きな転換点だった。NETFLIXの日本上陸に依り、これまで動画コンテンツの王様だったテレビ局は大きな転換期を迎えている。インターネットの普及が進むに連れてテレビへの接触時間は減少し、視聴率も低迷。インターネット配信は進めないといけないが、地上波ほどの稼ぎは見込めず、しかも自社コンテンツを他社に提供したくはない――。これが、従来のテレビ局のインターネットへの姿勢だった。実際、フジテレビコンテンツ事業局の山口真局長は、「NETFLIXは良い条件で来てくれた」と認めつつも、「我々も自前の配信サイトを含めて戦略的にコンテンツを供給する中で、NETFLIXもある意味ではライバル。敵に塩を送り過ぎるつもりはない」と牽制の姿勢を隠さない。

とは言え、この発言を全て額面通りに受け取ることはできない。確かに、フジテレビには2005年に開始した『フジテレビオンデマンド(FOD)』という配信サイトがあり、2015年9月には有料会員数が90万人を超え、黒字化も達成した。フジテレビの亀山千広社長も「ビジネスチャンスに繋げたい」と力を注ぎ込んでいる。だが、フジテレビ社内ですら「FODが主流のサービスになる」と思っている社員はいない。「FODは、基本的に自社コンテンツを囲い込んでいるだけ。インターネット時代に勝てるプラットホームにはなり得ない」(フジテレビ関係者)為だ。これは、テレビ局各社共通の課題だ。どうやら、インターネットの世界ではテレビ局は主役になれない――。そう誰しも気付き始めたタイミングで登場したのがNETFLIXだったのだ。1997年、オンラインのレンタルDVD会社として創業したNETFLIXは、2007年からインターネッ ト配信事業に軸足を移すと、破竹の勢いで会員数を伸ばし、今や世界50ヵ国で展開している。しかも、ビジネスモデルはYouTubeのような無料動画に依る広告モデルではなく、オリジナルを含むドラマや映画を軸にした有料の見放題モデルで成功したのだ。この為、広告モデルのテレビ局にとっては“ライバル”であると同時に、潤沢な資金で制作費を捻出してくれる“味方”になり得る存在でもあるのだ。実際、フジテレビだけでなく、テレビ局各社はNETFLIXの上陸に前後して、定額配信サービスへの接近を強めている(右上図参照)。一番積極的なのは日本テレビだ。日本テレビは2014年に、2011年からNETFLIXに似た定額配信サービスを提供していた『Hulu』の日本事業を買収した。コンテンツを提供するだけでなく、自らプラットホームを運営する立場になったのだ。この為、日本テレビの相当数の番組はHuluで見られる仕組みとなった。NETFLIXと同様、オリジナル作品にも乗り出し、2015年10月には尾野真千子さん主演の『フジコ』(フジサンケイグループの『共同テレビジョン』等制作)を発表した。TBSテレビやテレビ東京は、NETFLIXと同じ9月に日本でサービスを開始した『Amazonプライムビデオ』へのコンテンツ供給量を増やしている。この他、テレビ朝日は今年に入り、『KDDI』や『サイバーエージェント』と動画配信サービスで提携することを発表している。まさに、NETFLIXと同時に、一気にテレビ番組がインターネット上に“解放”されたのだ。「歴史上の黒船は、自分で幕府を滅ぼしたのではなく、国内勢の開国を誘った。そういう意味で、NETFLIXはまさに“黒船”だ」。業界紙『メディアボーダー』を運営する境治氏は、こう指摘する。

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掟破りの問題作が遂に公開! 暴力団密着ドキュメンタリー『ヤクザと憲法』は、こうして作られた!

ヤクザはタブーだ。今や条例で交際は規制され、取材するマスコミにすら非難の声が上がる。『ヤクザと憲法』は、そんな時代に反してテレビ放送され、絶賛を浴びた怪作である。制作スタッフが舞台裏を明かした! (取材・文/フリージャーナリスト 鈴木智彦)

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テレビの世界では屡々、地方局が問題作を連発する。伝説のドキュメンタリストである木村栄文時代のRKB毎日放送の如くである。現在、トップランナーの評価は恐らく東海テレビにこそ相応しい。2015年、難しい取材に挑み続けてきたスタッフが選んだテーマはヤクザだった。制作チームは長い時間を掛け、大阪の指定暴力団『2代目東組2代目清勇会』の日常に密着した。40分テープで500本に及んだ取材は、同年3月30日、『ヤクザと憲法』というドキュメントとして放映された。中京地区のみの放送でも評判は全国に伝わり、業界で最高の権威であるギャラクシー賞の選奨となった。その後、日本民間放送連盟賞でも優秀賞を受賞した。今月2日に東京の『ポレポレ東中野』で上映されるこの作品は、ヤクザの現実を切り取ると同時に、マスコミの歪みを自問自答する。最早、暴力団という社会悪は取り上げるだけで非難を浴びる最悪案件だ。東海テレビは、ヤクザという血の滴る生肉に“憲法”という申を刺し抜いた。意地悪く書けば、公共の電波に乗せる為の方便だったろう。しかし、それは紛れもなく、カメラが捉えたヤクザの現実だった。制作サイドの葛藤・挑戦・試行錯誤・発見のプロセスは、画面に映らない本編のサイドストーリーだ。チームのトップである東海テレビの阿武野勝彦プロデューサーは、撮影に至る経緯をこう語る。

取材に禁止事項を設けてはこなかったので、よせばいいのに「調べてみたら?」と言ってしまった。すると、見たこともない雑誌(本誌も含まれていた)が机の上に積み重なっていった。「そろそろ止めてもらおうか」と思い、(監督である土方宏史ディレクターを)愛知県警の暴力団取締りの中核にいたOBのところに連れて行ったんです。「殺されるかもわかんないよ。あいつら、何するかわかんないから」と言ってくれると、僕の中では勝手な物語ができていた。「観たいですねえ~」「冗談で言っているんじゃないんです。本当のことを言って下さいよ!」「本当です。ドブの中に手を入れ、そうすると泥を団子にする。手からはみ出して出ちゃう泥は徹底的に取り締まるけれども、中に残る団子はそれなりに許容するんです。それが社会ってもんじゃないんですか?」。ヤクザ取材計画を中止する為の台本が破綻したので、今度は東京の弁護士さんのところに出掛けた。「止めたほうがいいよ」と言ってくれると思ったら、「それは…とても興味のあることだ」って話になっちゃった。川口和秀(2代目東組副組長・2代目清勇会会長)さんは最初、「ヤクザなんて無くなればいいんですよ。無いほうがいいですよ」と言ったんです。「無くなったらどうするんですか?」と質問したら、「今、存在しているものをどうするかが問題なんですわ」と答えた。ヤクザだけだと時代との結節点を描けないので、弁護士を取材することだけ注文を付けた。サンドイッチの中身はヤクザかもしれないけど、パンはちゃんと持てる状態にしなければならない。それが弁護士であり、憲法だった。

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【誰がテレビを殺すのか】(05) ヒットメーカー2人が明かす“超”人気バラエティーの育て方

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「NHKの大河ドラマの裏番組にも拘らず、無名の素人で勝負するのは勇気が必要だった」――日本テレビの古立善之は、視聴率ランキングで常に上位にランクインする『世界の果てまでイッテQ!』のチーフディレクター。深夜番組としてスタートした2005年から参加し、今は企画の立案から番組の総合演出まで担う。イッテQは“謎解き冒険バラエティー”という冠が付いている通り、灼熱の砂漠から極寒の氷雪地帯までタレントが世界中でロケをし、素朴な疑問の答えを探しに行く冒険番組だ。お笑いタレントのイモトアヤコが“珍獣ハンター”として巨大トカゲに追い掛けられたり、マッターホルンやモンブラン等の登頂に成功したりしたことで、一躍、人気番組となった。そんなイモトも、スタート当初は全くの無名タレント。にも拘らず古立が起用したのは、「ユーロ高と原油高が重なって海外ロケの費用が高騰し、制作費が厳しくなった為、ギャラを抑えられるタレントにした」ことが理由だった。しかし古立には、世界中を無名タレントがヒッチハイクで旅して大ヒットした『進め!電波少年』のスタッフとして、海外ロケ等に同行した経験があった。「たとえ無名でも、出演者にお題を与えると自然とキャラクターは生まれてくるし、ロケに出掛ければ神様が降りてくる。だから、素朴な疑問中心の番組から、出演者のキャラクターをフィーチャーするようにシフトさせた」と古立は語る。

とは言え、テレビ放送が始まって60年余りが経過し、海外と雖もカメラが入っていない場所はそんなに残されていない。番組テーマについても粗食い尽くされ、“どこかで見たことのある番組”が溢れている。だが古立は、「見せ方次第で可能性は未だある」と異を唱える。例えば、珍獣ハンターの企画も、「子供たちに野生動物を見せたい」という思いから生まれたもの。先輩たちからは「野性動物なんて過去に散々取り上げていて新しくない」と言われたというが、「それは制作者の一方的な目線だ」と反論する。「そんな番組を見たことがない子供たちにとっては、初めて見る映像。出演者を上手く絡ませることに依って、新しい映像に生まれ変わらせることができる」というのだ。根底にあるのは徹底した視聴者目線だ。古立は、「いつも、『おふくろが見てわかるかなあ?』『うちの子供が見て面白いかなあ?』と考えながら作っている」と言うのだ。ただ、「(視聴者が)見終わった時に『で、何が言いたかったの?』という番組にだけはしないようにしている」という。「驚きが無かったり、腑に落ちないような内容だったりすれば、視聴者が消化不良を起こす。そうならないように起承転結を付け、ストーリーにするよう心掛けている」と語る古立。ここでも、視聴者の目線を大事にしているのだ。

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テーマ : お笑い/バラエティ 全般
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「ハーフは劣化が早い」で大炎上! 社会学者・古市憲寿の劣化が止まらない

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新進気鋭の社会学者で、コメンテーターとしてもお馴染みの古市憲寿氏(30)。歯に衣着せぬコメントが売りだが、正月早々、不用意な発言で大炎上していた。元旦放送の情報バラエティー番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)新春スペシャルでのこと。共演するウエンツ瑛士(30)の子供時代の写真を見て、古市氏はポツリと一言。「ハーフって、何で劣化するのが早いんでしょうね」。ウエンツが「何だよ!」とツッコむと、「ウエンツさんのことじゃなくて、一般的に劣化って早くないですか?」と更に一押し。隣に座る『HKT48』の指原莉乃(23)からも、「(劣化は)モノに対する言葉な感じがします」と窘められる始末だった。このやり取りがインターネット上にも広まり、「社会学者が差別発言!」と炎上する。「彼は若者代表というポジションで報道番組や討論番組で重宝がられています。外見も爽やかだし、小泉進次郎議員(34)や俳優の佐藤健(26)等と交友関係も広い。キスを『唾液の交換』と表現したり、子供を『汚いと思っちゃう』と発言する等、独特な考え方もウケている」(テレビ関係者)。5年前に著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)がヒットし、若手論客の地位を確立。現在も東京大学大学院の博士課程に在籍中だが、東大関係者は次のように指摘する。「学内での評価は二分しています。『優秀だ』という声がある一方で、彼の専門である若者論が『論文ではなくエッセイ』と揶揄する先生もいる。抑々、社会学者を名乗るなら、今回のような差別的な発言は絶対にしてはいけません」

古市氏本人に真意を聞いた。「『ウエンツさんのことではない』と言っていますが、勿論ウエンツさんを指しての発言です。いくらバラエティー番組でも、失礼なことを言ったと思います。ただ、ウエンツさんは逆に僕のことを『気にし過ぎ』と気遣ってくれています。というのも、このやり取りには前段があります。僕は2011年に“絶望の国の幸福な若者たち”という本を出版したのですが、2012年にウエンツさんは“『絶望世代』は幸福でいいのだ!”(主婦と生活社)という本を出版しています。その題名が所謂“パクリ”なのかどうかという論争がスタジオであったのです。その延長で、子供の頃の非常に可愛かったウエンツさんの写真を出されて、彼自身もそれをネタとしているようなので、“劣化”という言葉を冗談交じりに使いました」。流石の古市氏も反省している様子だ。「ウエンツさんに会うのは初めてでしたが、収録前の控え室ですっかり仲良くなった為、言葉が乱暴になってしまったかもしれません。僕が気にしているのは、このニュースが大きくなることでハーフの方が必要に傷付いてしまうのではないかということ。“ハーフ”という言葉のイメージが悪くなったり、早急な言葉狩りの引き金になることを懸念しています」(同前)。最後は、「今夜はウエンツさんとすきやきを食べてきます」とアピール。相手が心の広い若者でよかったね!


キャプチャ  2016年1月14日号掲載


テーマ : フジテレビ
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今は孫が14人! 元祖“大家族”父が語る青木家の現在

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「まあ、色々あるにはあったけどさ。もう、今になったら一安心ですよ。孫? 14人かな?」――2004年から2006年までTBSテレビ系列で放送された人気大家族もの“青木家”シリーズ。父の信義氏(63)は笑顔でこう話す。母が出て行った家庭に残された父と三男四女。スポットが当たった長女のあざみさんは一躍、時の人となった。あざみさんは生後直ぐに施設に預けられ、家庭に戻ったのは小5の時。ところが、彼女が中1の時に親が家を出てしまった為に、6人の幼い妹弟たちを健気に世話する役割に。テレビでは16歳と17歳の時に、結婚せぬまま子供を出産。それだけでも衝撃的だったが、実は14歳の時にも出産し、その赤ちゃんは施設に預けているという自身の輪廻のような“人生”を送っていたことにも、世間は驚愕した。また、その見た目の愛くるしさでも注目を浴び、本も2冊出版。40万部という大ヒットとなり、日本一有名な“若きシングルマザー”でもあったのだ。実は、テレビ終了後も波紋を呼ぶ出来事が続いた。2009年7月に、交際3ヵ月であざみさんは鳶職の男性と結婚。9月に発売された女性週刊誌では突然、「父からレイプを受けていた」という真偽不明の告発をした。更には9月、結婚相手の男性が自動車運転過失致死と道交法違反(ひき逃げ)の容疑で逮捕され、10月には傷害・逮捕監禁で再逮捕されたのだ。事件当時には、「旦那の事悪く言わないで!! 周りにいくら離婚しろとか言われてもしないから!! ずっとあざみは旦那の事待ってるよ!!」とブログに綴っていたのだが、それから6年の年月が過ぎた。

埼玉県内の巨大団地。当時とは違う一室に住む父の信義氏に近況を聞いた。「相変わらずですよ。一緒に暮らしているのはあざみの置いていった子供2人と、一番下の女の子(高1)だけだけど」。そう話す信義氏の周りを赤ん坊がハイハイし、就学前の男児が遊んでいる。「三女の子供。60越えたし、仕事はある時だけして、後はこうやって遊びに来るから子守りだよ。男の子たち3人も皆、18くらいで所帯持って子供作ってる。そのほうが後も楽だし、いいじゃない」。孫たちには“じいじ”と呼ばれているという父に、あざみさんの近況を聞く。「全然連絡取ってない。旦那が刑務所入ったりして、半年くらいは行き来してたかなあ。結婚が続いているのかどうかもわかんない。でも、もう27だしね」。あざみさんが父に託した子は小5と小3になった。「(会いたがったり)ぜんっぜんしない。孫は自分で『ママはいない』と言いますからね」。それでも「困ったりはしていない」と明言する。「ノホホンとしてますよ。世間はうちのこと羨ましいみたい。だって、子供たちと一緒に居酒屋行って飲んだりしているからさ」。もう、これまで以上にスリリングな展開が起こらないといいのだけれど。


キャプチャ  2015年12月31日・2016年1月7日号掲載
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テーマ : TBS
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京都のお巡りさんが色めき立つNHK・井上あさひアナウンサーからの電話

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「今夜は大阪からの放送です」――2015年12月18日、23時半からのNHKのニュース番組『NEWS WEB』でそう切り出したのは、あの井上あさひアナ(34)だ。この日は渋谷の放送センターからではなく、月に一度の大阪放送局からの放送で、キャスターを務める井上は、詩人の水無田気流氏と大阪のブルースの魅力について伝えた。「持ち味の落ち着いた語り口で、根強いファンから大人気。番組に寄せられるツイート数も跳ね上がっています。関西のディレクターからは、『彼女と仕事がしたい』と企画が続々と出ているそうです」(NHK関係者)。振り返れば、同年4月の番組改編で『ニュースウォッチ9』を大越健介キャスターと共に外れ、京都放送局へと転勤となった井上アナ。ファンだった中高年のおじさんたちの落胆ぶりは“あさひロス”とも言われたが、本人は如何なる心境だったのか。「彼女が入局した平成16年は“花の16年組”と言われるほど女子アナ豊作の年で、現在のニュースウォッチ9のキャスターである鈴木奈穂子アナや、ニュース7の守本奈実アナ等、全中(全国放送)のニュースで活躍する同期が多い。複雑な心境で京都に向かったと思います。ただ、彼女の転勤は京都局の放送会館の新築移転に合わせた目玉人事として、当時の局長たっての希望で実現したもの。京都は花鳥風月で全中もののネタも多いので、本人も新たなチャンスと意気込んでいました」(同前)。

そんな井上の為に、京都の経済界や伝統文化の大御所と対談する“京都プレミアムインタビュー”を立ち上げる等、局を挙げて梃入れを図ってきた。「このコーナーには本人も力を入れており、事前に資料を読み込んで入念に準備してから臨むので、口煩い京都の大御所たちの間でも評判だそうです」(別のNHK関係者)。“あさひファン”が増えるのは、京都の経済界ばかりではない。「泊まり勤務では、記者に代わって警察署へ『NHKの井上です』と警戒電話(管内で事件が起きていないかを確認する為に数時間おきに確認する電話)を熟すので、京都の警察官の間で大評判。電話を受けて色めき立つお巡りさんもいるそうです」(同前)。局では朝早くに出勤して、共用でーぶるを布巾で拭いたりと、気配りも忘れないという。ただ、特別待遇への妬みもあるようだ。「『NEWS WEBの大阪局からの放送のキャスターを、何故京都局の彼女が務めるんだ?』と、大阪のベテランアナウンサーたちの間からは不満の声も出ているようです」(同前)。プライベートでは古都の街歩きを堪能しているというが、恋の話は? 「浮いた話は聞こえてきません。嘗て、東京勤務の前には同じNHKの関係者と交際していたという噂もありますが、最近はめっきり。彼女は飲み会には参加しますが、2次会や少人数の飲み会にはあまり参加しない。飲んでも仕事の話ばかりで、新たな恋のチャンスは無いのでは」(同前)。何やら勇気が湧いてくる話ではないか。あさひは西からも昇るのだ。


キャプチャ  2015年12月31日・2016年1月7日号掲載
LBS252 朝日を見に行こうよ/SMAP

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【誰がテレビを殺すのか】(04) “手抜き”局はどこだ? ラテ欄徹底分析!

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※プライムタイムに放送を開始した全番組が対象。ロケ番組時間は画面に“ロケ地”、各ランキングは其々“YouTube”“飲食店”“ランキング”と表記があったものを集計。データ提供:『エム・データ』(http://mdata.tv/

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「会社に出てきたら先ずパソコンを立ち上げ、1日中、インターネットで只管面白い動画を探している」――あるバラエティー番組のスタッフは、制作現場の舞台裏をこんな風に明かす。この番組は、3~5分程度のVTRをスタジオで流し、お笑いタレントたちがコメントするというもの。このスタッフも、毎週1~2本のVTR制作を担当している。「ネタなんて簡単には思い付かないからインターネット頼みになる。態々取材に行かなくても、映像で見ることができるから」。テレビ番組の半分以上を占めるバラエティー。スタジオ収録を終えてからも、番組パッケージに纏めなければならない等、他の番組と比べて手間がかかり、スタッフたちは徹夜もザラだ。とは言え、こうした動画を纏めたものやグルメもの等、“手抜き感”満載の番組が溢れていることも事実。そこで今回、番組内容を放送時間の観点から分析し、各局別に手抜き感を比較してみた。2015年上半期の所謂“プライムタイム”に放送された全番組を対象に、各局の放送時間をカテゴリー別に纏めたのが上表だ。2006年上半期と比較した増減率や、バラエティーの中でも特に手間がかかるロケ番組の放送時間も併せて掲載した。これを見ればわかる通り、バラエティーでは日本テレビが圧勝で、ロケではテレビ東京が群を抜き、日本テレビが続いている。対照的なのはフジテレビ。タレント頼みでロケも少なく、手の込んだ番組が少ないという結果となった。ここでも、フジテレビの凋落ぶりが見て取れるという訳だ。


キャプチャ  2015年11月14日号掲載


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【誰がテレビを殺すのか】(03) 風水に縋る経営トップに現場からも責任を問う声

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東京都内の高級住宅街の一角。高い壁と監視カメラに囲まれた一際目立つ大邸宅の主は、フジテレビ内部で“天皇”と称される日枝久会長、その人だ。その前日に下方修正された今年4~9月期決算の発表日の夜。本誌記者は所謂“夜回り”と呼ばれる取材の為、日枝会長の帰宅を待っていた。よくあることではあるが、企業の広報部を通した正攻法の取材依頼が断られたからだ。トップ人事は、企業の行方を左右する。業績を好転できない亀山千広社長の責任、延いては日枝会長は自らの任命責任について、どう考えているのか。午後8時過ぎ。車のルームライトに顔を照らされた日枝会長を乗せたハイヤーが現れ、表玄関に停車しようとした瞬間、走り寄る記者の姿に気付いたのか、日枝会長を乗せたまま車は再び加速し、自宅から遠ざかっていった。呆気に取られたまま、数分後に裏口の方に回ると、今度は遠目にこちらの様子を窺う2つの人影。ところが、目が合ったと思うと、人影は素早く死角へと身を翻してしまった。取材失敗を覚悟しながら、更に待つこと約20分。再び同じハイヤーが走り去った方向から近付き、“待ち人”が姿を現した。「広報を通してよ。1人に(アポ無し)取材を許したら、皆に対応しなくちゃならなくなるから」。そう言って、自宅の中に入ろうとする日枝会長に、亀山社長の経営責任に対する考えを投げ掛けた。「一々責任を問うていたら切りがないでしょ? 週明けに会社に来たらじっくり話すから、広報にそう言って。ポートフォリオを見てよ。250億円あるから。大丈夫、大丈夫です」。“大丈夫”という言葉を笑顔で何度も繰り返しながら、自宅の中に消えていった。だが、日枝会長が受けるとした取材は、実現することはなかった。広報から、日枝会長の指示で、「本人ではなく、“代役”が取材に応じたい」という連絡が入ったのだ。

「経営者が“風水”なんかに拘り出したら終わりだ」――そう溜め息を吐くのは、フジテレビのある中堅社員だ。風水とは言わずもがな、古代中国発祥で、韓国や近年の日本でもブームになった、“気”の流れを物の配置でコントロールすることで幸運を招こうというスピリチュアルな思想だ。今年春、お台場・フジテレビの社屋前に『テレビの泉』と名付けられた小さな噴水が出現した。同社員に依れば、この噴水設置を主導したのが、日枝会長が「業績悪化の責任は問わない」とお墨付きを与えた亀山社長だという。「『風水に拘って造らせた』という話が社内で広まっている」(同社員)。人知を超えたものに縋りたくなる気持ちはわからないでもない。何せ、亀山社長が2年半前の2013年6月、9代目のフジテレビ社長に就任してから、同年3月期決算において234億円あった営業利益が、来年3月期(予想)は15億円と9割以上も落ち込む見込みなのだ。亀山社長は、人気ドラマ『ロングバケーション』や『踊る大捜査線』を世に送り出したヒットメーカーで、現場の人望も厚かったという。視聴率や業績低迷の打開の為に社長に大抜擢したのは、日枝会長の鶴の一声だ。だが、経営の数字は視聴率のようには取れない。就任から僅か2年半で、これほど業績を悪化させては、この人事が失敗だったことは火を見るより明らかだろう。

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【誰がテレビを殺すのか】(02) 止まらない視聴率の地盤沈下、製作費削減が齎す悪循環

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僅か1%台――フジテレビが4月改編の目玉としてスタートさせた情報番組『直撃LIVEグッディ!』が、10月に入っても度々記録している視聴率だ。深夜帯かと勘違いしそうになるが、放送は平日午後1時55分からの約2時間。日本テレビ等の他のキー局が、同時間帯に6%前後の視聴率を稼ぐ中での状況だけに、司会者の交代に加えて、僅か1年での番組終了も囁かれる。ただ、フジテレビの場合、これ以外にも視聴率が低迷している番組を挙げれば切りがない。同局の看板番組となる月曜午後9時のドラマ。今夏放送した『恋仲』は、初回としては歴代最低の9.8%という視聴率を記録。消防団を題材にした『HEAT』は2%台の放送回がある等、惨敗続きだった。今秋始まったドラマについても、テレビ朝日は『相棒』、TBSテレビは『下町ロケット』等の話題作が順当に15%を超える視聴率を取っているが、フジテレビは1桁のドラマが散見されており、浮上の兆しすらない。「(30代等)ミドル層を取りにいけば、視聴率は簡単に上げられる。ただ、うちは若い人に向けた番組編成を続けてきた自負がある」。フジテレビの幹部は視聴率低迷の要因について、そう反論する。長年の編成方針として、10代・20代の若年層に向けた番組編成にフジテレビは拘っており、「その世代のテレビ離れに依って、視聴率を稼き難くなっているだけだ」と言いたい訳だ。民間調査では、「20~34歳の男性(M1層)が、2012年から2年間で、1日の平均テレビ視聴時間が30分も減少した」というデータもあり、若年層のテレビ離れが着実に進んでいることは紛れもない事実だ。

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一方で、フジテレビは「若年層に強い」という矜持を基にした番組作り・編成に本当に拘っているのか? 10月改編でスタートした各局のドラマの視聴者層を分析すると、意外な事実が見えてくる。右のグラフは、番組の視聴者分析等を手掛ける『スイッチ・メディア・ラボ』が、約2000世帯を対象に、今秋に始まった各局のドラマの視聴者動向を調べたものだ。女性の視聴者層を見てみると、フジテレビに多いのは30代・40代の視聴者だ。20代までの若年層を見ると、寧ろ日本テレビのほうが健闘している。ドラマのラインナップや内容自体を見ても、フジテレビは寧ろミドル層に向けたものが多いように映る。つまり、「若年層に強い」というプライドを押し殺し、視聴率の為にミドル層を狙っているものの、そこでも結果が付いてこないという苦境に陥っている訳だ。視聴率3冠王(年度)から陥落して早5年。3位が定着しつつある嘗ての王者は、何故ここまで制作力が低下したのか? 社員たちの声を拾ってみると、異口同音に訴えるのが“上層部の過度な現場介入”だ。詳しくは後述するが、フジテレビは亀山千広社長を始め、役員に名プロデューサーだった人が、他局に比べて数多く配置されている。フジテレビの黄金時代を築いた人たちが順当に出世していった訳だが、その上層部が“昔取った杵柄”で企画の細部等、「時に、箸の上げ下ろしにまで注文を付けてくる」(中堅ディレクター)という。それが今の時流に適ったものであればいいが、企画が外れ、視聴率で惨敗しても、注文を付けた本人は素知らぬ顔。「元々の企画がどうだったとか、チャレンジが足りないとか、報道陣がいる定例の記者会見を通じて言われたこともあった」(同)と現場は嘆く。

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テーマ : フジテレビ
ジャンル : テレビ・ラジオ

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