【連鎖地震・検証】(04) 物資滞留、3つの“誤算”

20160428 15
「本震から3日も経っているのに、1日の食料がおにぎり2個では駄目だ」――。18日夜、政府関係者から焦りの声が漏れた。16日未明の“本震”を受け、政府は、被災自治体の要請を待たずに支援を開始する“プッシュ型”と呼ばれる手法で、186万食を熊本県に送った。だが18日も、食料が枯渇した避難所の状況が報道されていた。混乱の背景には、地震の連鎖による地元自治体の3つの“誤算”があった。1つ目は、備蓄が直ぐに底をついたこと。人口約74万人の熊本市は、2012年に地域防災計画を改定し、断層帯でマグニチュード(M)7クラスの地震が起きた場合に、3万6500人が避難すると想定。計22万食を備蓄していた。ところが、M6.5の“前震”とM7.3の“本震”が続き、17日朝には市内だけで10万8266人が避難。多くの避難所で同日中に備蓄が尽きた。余震が続いたことで避難者は中々減らず、同市政策局の古庄修治局長は「防災計画の想定外だった」と振り返る。2つ目は、政府や他県から届いた物資の集積場が機能しなかったことだ。熊本県の集積場は、大型催事場の『グランメッセ熊本』(益城町)等3ヵ所だったが、一連の地震で建物が使用不能になり、県庁舎のロビー等に物資が滞留した。東日本大震災では、宮城県が食料等の輸送・管理を途中から運送業者や倉庫業者に業務委託し、成功した。

国はその後、各都道府県にトラック協会との輸送協定と、倉庫協会との保管協定を結ぶよう促したが、輸送協定は昨年度までに全国で締結されたのに対し、保管協定の締結率は7割で、熊本は未締結。熊本県が、国から紹介された合志市の民間倉庫等を使い始めたのは、21日だった。市販品の物流が生産拠点等の被災で停滞し、コンビニ等で品薄になったことも混乱に拍車をかけた。もう1つの誤算は、ニーズを把握できない“未知”の避難所の続出だった。熊本市内には小中学校等の指定避難所と、災害時に逃げ込める緊急避難場所が計約250ヵ所あるが、“本震”で避難者は膨れ上がり、公民館や民間企業を間借りした避難所が自然発生。市内に少なくとも40ヵ所あったことが後に判明した。建物内では余震が不安だとして車中泊する人も多く、熊本市の担当者は「車中泊の人等はプライバシーの問題もあって、実態を把握し難く、物資の配給が後手に回った」と打ち明ける。東日本大震災では、内陸部の岩手県遠野市がボランティアらの拠点になり、沿岸部の寺院や公民館等も回って必要な物資を聞き取った。震災後、“遠野モデル”として評価された。当時、静岡県職員として遠野の活動に加わった『静岡大学防災総合センター』の岩田孝仁教授(防災行政学)は、「住民の側も支援を待つだけでなく、普段から地域で自主防災組織等を作り、行政にニーズを伝えられるようにする努力が欠かせない」と話している。


≡読売新聞 2016年4月25日付掲載≡




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【連鎖地震・検証】(03) 庁舎損壊、市職員が転々

20160427 14
熊本地震で被災した熊本県宇土市役所は、職員が5日間で3度も引っ越すという混乱に陥った。14日の“前震”で、同市は震度5強。築51年の5階建て本庁舎は壁に罅が入り、市役所機能は隣接する別館に移された。だが16日未明、震度6強の“本震”で本庁舎が無残に変形し、倒壊すれば別館も巻き込まれる恐れが生じた為、職員は駐車場の仮設テントに移動。19日には市内の体育館に移った。本庁舎は2003年度の耐震診断で、「震度6強で大きな被害の可能性が高い」と判定された。だが、対策は先送りされ、建て替えの検討に携わった浜口多美雄市議(65)は「『熊本で大きな地震は無い』と思い込んでいた」と唇を噛む。市役所の電話回線は一時、1本だけになった。庁舎が使用停止になったのは、“前震”直後は宇土市と大津町だけだったが、“本震”後は八代市・人吉市・益城町を加えた5市町に増えた。何れも築35年以上と古く、地震の連鎖で建物にダメージが蓄積。今も強い余震が止まない為、自治体側が使用に慎重になっている。総務省消防庁によると、防災拠点となる全国約19万棟の耐震化率は、2015年3月現在で88.3%だが、自治体庁舎は学校や病院に比べて低く、平均で74.8%。多くの自治体は、遅れの理由として“財政事情”を挙げる。

一方、5市町の内、宇土市・人吉市・益城町は『業務継続計面(BCP)』も策定していなかった。BCPは、自治体が災害時に備え、職員参集の手順や庁舎の代替施設等を事前に決めるもの。庁舎の損壊等で一部の自治体業務が止まった阪神大震災や、2004年の新潟県中越地震の反省を踏まえ、国が自治体に策定を求めてきたが、昨年12月の消防庁の調査では、策定済みの市区町村は36.5%に留まった。益城町役場は町保健福祉センターに仮住まいし、罹災証明書の発行等はストップしたまま。町の防災担当者は23日、「必要なデータを取り出せず、復旧の目途が立たない」と嘆いた。一方で大津町は、BCPに基づいて別の建物にバックアップしてあったデータを利用し、住民票発行等を直ぐに再開できたという。『関西大学社会安全研究センター』の河田恵昭センター長は、「災害時は、自治体の業務が大幅に増加する。活断層の傍にある庁舎の耐震化を優先的に進めると共に、BCPの策定を急がなければ、被災住民が生活再建に苦しむことになる」と指摘する。益城町と隣の西原村では、役場庁舎に設置された震度計から気象庁にデータが届かない事態も起きた。同庁によると、通信障害が原因の司能性があるという。“本震”の最大震度は当初、“6強”とされたが、その後、同庁が益城町の震度計から直接データを取り出した結果、20日になって“7”に変更された。震度情報は、警察・消防・自衛隊等にとって派遣規模の判断基準になる可能性がある。今回の不備が対応に影響したかどうかについて、消防庁は「検証対象になり得る」としている。


≡読売新聞 2016年4月24日付掲載≡




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「お寺こそ子供が安心できる場に」…函館の子供坐禅塾が話題

20160427 12
苛めや児童虐待等が絶えないだけに、今、坐禅を通じて子供らに仏教を伝え、心のケアに取り組む住職が注目されている。北海道函館市の曹洞宗永全寺で『子供坐禅塾』塾長を務める齊藤隆明住職(46)だ。齊藤住職は大学卒業後、大本山永平寺で修行を積み、平成7(1995)年に先代住職の父である大全師の遷化に伴って、25歳で同寺に晋山した。子供坐禅塾を始めたのは平成19(2007)年。苛めや不登校等が社会問題になるのを目の当たりにして、「子供は皆、仏の子。お寺でも何かしなければいけない」と一念発起。参加無料で5ヵ月間を1セットとして、毎月1回、読経・坐禅・法話・掃除・遊び・食事作法・食事というプログラムを作り、子供たちに参加を呼び掛けたのだ。これが受けて餅つきや花火大会も催され、多い時は30人以上が集まるようになる。親たちの期待も日増しに高まった。「最初は大人しいのですが、やんちゃ盛りですから、慣れると騒いで収拾がつかず、怒鳴って声を嗄らすことも度々ですけれども、荒れていた子が塾に通い続けて、人が変わったように落ち着いて優しくなったと、ご家族から聞かされた時は嬉しかった」と齊藤住職。塾の卒業生が心身共に成長した姿を見せてくれることも、9年間継続してきた喜びだろう。「複雑な家庭環境で親の愛に創えた子供も多く、生涯、塾を続けなければと思います。お寺の社会貢献というより、ストレスを抱える子供たちの為に、安心が得られる場にしたい」と話す齊藤住職からは、仏法そのものこそ人を救う力があるという確信が見える。


キャプチャ  2016年3月号掲載




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【連鎖地震・検証】(02) 集落孤立、捜索隊阻む

20160426 12
土砂の中から4人の遺体が見つかり、今も1人が安否不明の熊本県南阿蘇村河陽地区の別荘地。自衛隊が本格的な捜索に着手したのは17日朝だった。16日午前1時25分の“本震”で土砂崩れが起きてから、24時間以上が経っていた。「警察・消防・自衛隊等を最大限投入する。自衛隊は16日中に1万5000人態勢とする」。菅義偉官房長官は、16日午前6時前の記者会見でそう表明した。“前震”後の15日時点で益城町等にいた自衛隊員は約1700人だけで、16日未明から主に九州各地の部隊が南阿蘇村を一斉に目指した。ところが、山間部の同村は道路の寸断で複数の集落が孤立。阿蘇山周辺に通じる13本の道路のうち、大型車両が通行できたのは6本だけで、「道路に亀裂が入った場所もあり、慎重に偵察しながら走った」とある部隊の幹部は振り返る。多くの部隊は16日を移動に費した。警察も、「一時、立ち往生した部隊があったようだ」(警察庁幹部)という。孤立地域で救助・捜索を迅速に行うには、へリコプターの活用が不可欠だ。教訓となったのが、新潟県中越地震(2004年)や岩手・宮城内陸地震(2008年)だった。68人が死亡した中越地震では61集落が孤立。小千谷市の消防団副団長だった金子正男さん(66)は、「火災の煙が見えるのに現場に行けなかった」と話す。内閣府が岩手・宮城内陸地震後に纏めた報告書は、「孤立が想定される場合はヘリコプターの着陸場所を確保する必要がある」と指摘した。

今回、自衛隊は、最大58人が搭乗可能な大型輸送ヘリコプターで隊員や車両の輸送を試みた。だが、同村内には着陸できず、隣の阿蘇市で部隊を降ろした為、更に陸路で2~3時間かかった。同村には学校のグラウンドがあったが、避難者がいて着陸できなかった可能性があるとする自衛隊関係者もいる。16日は、孤立した被災者を吊り上げる救助等が中心になった。内閣府は、中越地震の翌年から孤立の恐れのある集落を調査し、2013年度は全国で1万7212ヵ所。阿蘇山一帯は火山灰等の噴出物が多く、崩れ易い地質で、大雨による土砂災害が多発しているが、着陸場所等の備えは不十分だった。道路渋滞も障害になった。16日未明から順次、福岡県小郡市を出発した部隊は、熊本県内で激しい渋滞に遭う等して、通常の約3倍の7時間を要して南阿蘇に入った。給油待ちの車列が渋滞を悪化させていたという。阪神大震災や東日本大震災でも、渋滞で緊急車両が遅れるケースが相次いだ。2014年11月に『改正災害対策基本法』が成立し、放置車両の強制撤去等ができるようになったが、給油待ち等を抑制する仕組みは無い。元陸自幹部で岩手医科大学防災危機管理対策担当顧問の越野修三氏は、「自治体はあらゆる災害を想定し、ヘリコプターが着陸できる用地を選定したり、緊急車両を優先通行させる訓練を実施したりすることが重要だ」と指摘する。


≡読売新聞 2016年4月23日付掲載≡




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妻のAV出演歴が発覚した副住職の法律相談が“炎上”…お寺の不祥事がネットアクセスNo.1になる恐怖

『副住職の妻のAV(アダルトビデオ)出演歴が発覚して、経営する幼稚園が大騒ぎ――離婚は可能なのか?』――。こんな物騒なタイトルの記事が今年1月23日、インターネット上に現れ、瞬く間に“拡散”したのは当然かもしれない。でも、記事は本当なのか?

20160426 11
これは、インターネット上で弁護士に無料相談できるポータルサイトの『弁護士ドットコム』に掲載されるや、同サイト内でアクセスランキング1位を記録したのだ。寺院関係者からのアクセスも少なくなかったのではないか。記事は以下の通りだ。先ず、「妻が20年前に出演したAVを理由に離婚できますか?」という質問が同サイトの法律相談コーナーに寄せられた。「投稿者は、実家の寺院で副住職をしているという男性で、英才教育を推進する人気幼稚園も運営している。男性は、数年前に住職である親の反対を押し切り、ホステスだった妻と結婚した。しかし、最近になって園児の親から、妻について『AV女優だ。月謝を返せ』といったクレームを受けたという。確認すると、妻が20年前に複数のAVに出演していることが判明。妻も出演を認めたのだそうだ。保護者からは批判が寄せられ、父親の住職も憤慨した。投稿者自身も『宗教法人、学校法人として一生この事を抱えていくのは無理』といい、離婚を考えているという。はたして、妻の過去のAV出演が発覚したことを理由に、離婚することはできるのだろうか」(記事本文から抜粋)。

同サイト内で、この質問に答えた寺林智栄弁護士によると、「話し合いによる協議離婚はあり得るが、裁判所が認める離婚理由には当たらないだろう」とのことだった。「夫の職業は幼稚園を経営するお寺の副住職で、品行方正が求められます。妻は結婚前に、その仕事の特殊性を知っていました。一方、AV女優は性を売り物にする職業です。その過去が露呈したのであれば、夫婦間の信頼関係は破綻し、裁判上の離婚原因になるようにも思えます。ですが、妻がAV女優をしていたのは20年も前のことです。そこまで古い過去を告白する義務が、妻に課せられるとは考えられません。また、抑々夫は、妻がホステスという謂わば“水商売”をしていたことを知って結婚した訳です。『ホステスは問題無くて、AV女優はけしからん』というのも説得力に欠けるでしょう」。“職業差別”が離婚理由にならないことはわかるが、遠い過去の“過ち”なら裁判離婚の理由にならないとはどういうことなのか? 寺林弁護士が解説する。「『果たして、過去を告白する義務があるのか?』という点から、弁護士の間でも判断は分かれます。隠していた過去の内容にもよるでしょう。個人的には、このようなケースの場合、AV女優をしていたのが結婚の半年や1年前等最近のことであれば、事前に告白せず、信頼関係を壊した責任として、離婚請求が認められる可能性はあると思います」。まぁ、離婚するかしないかは、世間体より2人の愛情の問題だろうが、実は本誌が注目しているのは裁判の是非ではない。インターネット上で起こった過剰な反応だ。

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「ヤクザと一緒ではないが気持ちは味方です」――元山口組顧問弁護士・山之内幸夫氏インタビュー

凡そ30年に亘り、『山口組』の顧問弁護士を務めたことで知られる山之内幸夫氏が昨年末、その旨のバッジを外すことになった。これまで数百人ものヤクザを救ってきた法曹界の異端児が、その内情を語った。 (聞き手/フリージャーナリスト 鈴木智彦)

20160426 01
全国各地で大ヒット上映を続ける『ヤクザと憲法』のプロデューサーは、弁護士を“社会との結節点”と表現した。その言葉通り、ヤクザの事件を担当する弁護士は、堅気というコチラ側の住人でありながら、「ヤクザを救う」という職務の為、アチラ側も自由通行できるダブルパスポートを持っている。山之内幸夫元弁護士は、『ヤクザと憲法』でも主役の1人である。映画には、長きに亘って山口組顧問弁護士を務めながら、刑事事件の裁判で有罪となり、劇中で弁護士資格を剥奪されるシーンが映し出される。今、この人は何をしているのだろうか。大阪で『ヤクザと憲法』が公開される直前、山之内弁護士事務所を訪ねた。貰った名刺に弁護士の肩書きは既に無く、背広の弁護士バッジも外されていた。

依頼者が、グラスファイバーで型を取って車の部品を作っている人なんです。14年間、工場を借りて作業しとったんですが、事件屋に絡まれて食い物にされていました。僕のところに相談に来て、「何とか逃れたい。手を切りたい」というのが元々の始まりです。間に入って対決姿勢を見せたら、その事件師は仕事場を封鎖しよった。その日も納品しなきゃいかんものがあったんで、入れないと困る。だから、「割って入ったらいい」と言ったんです。依頼者は変わった男でしてね、気が弱いからでしょうか、何でもかんでも録音している。だから、その現場の音声も録っていた。それが建造物損壊教唆罪という罪名になった。これは罰金刑にならないんです。有罪になれば終わりです。予感はありました。もっとはっきり言いますと、家宅捜索に来た日、ガサ入れのあった夜にね、「弁護士を辞めよう」と思った。こんなくだらんことでも警察は絶対やります。「検察庁も警察の圧力に押されて立件し、起訴するんじゃないかなぁ」という思いがあった。若ければ弁護団を結成して徹底的に無罪を争うんでしょうけど、そんな元気はありません。ならば、弁護士はもういい。今年70なんですが、「仕事を辞めるチャンスなんじゃないか」と思った。起訴されるまでは顧問弁護士と名乗っていないんです。実際、顧問契約はしていたんですが、“元山口組顧問弁護士”という肩書きを使っていた。警察と世間を刺激しますからね。山口組には、僕の他にも親しくしている弁護士さんがおり、実質的には同じでも、顧問と名乗れば弊害が出てきます。今回の事件でも、僕のクビを取りたかったのは間違いない。少なくとも警察にとっては、4課が働いていることを証明するネタにはなります。平成3年、恐喝事件で逮捕された時には、僕を逮捕した府警の班が警察庁長官賞を受賞しました。僕、結構な大物なんですよ(笑)。その時の裁判は当然、無罪です。それだけ恣意的な、馬鹿馬鹿しい事件だったんです。日本の裁判で無罪なんて簡単に出ませんからね。歴史上、日本の弁護士で無罪になったのは初めてだったんじゃないですかね。初めて顧問になったのは、4代目竹中正久組長が誕生した直後です。暫くして、弁護士会から「顧問はいけない」と処罰を受け、形上は一旦辞めとるんですが、僕が逮捕されたので、本当に顧問をできなくなった。昭和59年から平成3年まで。で、6代目山口組が誕生した後、平成18年から27年まで顧問だった。月に20万円、隠すほどでもない額です。元々、ヤクザの弁護をやろうとは思っていなかったんですよ。でも、やっている内に強い興味を持つようになりました。未練も無いし、せいせいしているけど、山口組が分裂しているんで、このことだけが心配です。

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【連鎖地震・検証】(01) “想定外”本震で混乱

21日で発生から1週間が経過した熊本地震。“前震”の28時間後に阪神大震災級の“本震”が襲ったことで、犠牲者は5倍以上に増え、その後も強い余震が止まずに、避難者は21日時点でも一時10万人を超えた。常識を覆す“連鎖地震”が地震列島に突き付けた課題を追う。

20160425 08
14日夜の最大震度7の地震から一夜明けた15日。熊本県益城町等で多数の家屋が倒壊し、死者は9人に上ったが、安否不明者の情報は無かった。“余震”も減り、永田町には“収束ムード”が漂い始めた。午後4時過ぎ、首相官邸での非常災害対策本部会議で、安倍晋三首相は翌16日に現地視察する考えを表明。河野太郎防災担当大臣は会議後、記者団に「救命救急のフェーズから、生活支援・再建のフェーズに入った」と語った。2011年の東日本大震災で東北地方の広域に展開した各都道府県・政令市の緊急消防援助隊は、14日の地震を受けて出動態勢を取った。だが、「被害は局所的」と判断した総務省消防庁は、派遣を11県市の消防隊に絞り、東京・大阪・神戸には待機を指示。陸路で西に向かった神戸の隊員は、15日未明までに引き返した。同日夜、益城町役場には警察・消防・陸上自衛隊等の責任者が集まった。翌朝からの支援態勢を協議していた16日午前1時25分、激しく揺れた。発表された最大震度は6強。マグニチュード(M)は7.3。庁舎は停電し、陸自幹部は暗闇の中で「経験の無い事態だ」と即座に悟った。「余震がこんなに大きいとは。どれだけ被害が出るのか」。政府は阪神大震災の教訓から、1996年に危機管理センターを官邸内に開設。ただ、「余震の場合は首相や閣僚までセンターに詰める必要はない」とされ、河野氏が1時46分に議員宿舎から駆け付けたものの、7分後には官邸を後にした。

ところが、生き埋めや土砂崩れ等の情報が次々に官邸に伝わり、一報を聞いた首相は2時38分、公邸から対応を指示。3時28分になって菅義偉官房長官が緊急記者会見を開き、「甚大な被害が発生」と述べた。首相は現地視察を取り止めた。気象庁にとって、最初の大きな地震を本震と見做すのは長年の“常識”で、余震への警戒を呼び掛ける際は、本震より低い震度を例示してきた。3時40分頃から会見した同庁地震津波監視課の青木元課長が「今回が本震」と硬い表情で説明すると、報道陣はどよめいた。「余震は小さい」という思い込みの代償は大きかった。益城町では、避難住民が帰宅した後に“本震”で倒壊に巻き込まれるケースが続発。被害は南阿蘇村等に広がり、益城町に集結していた関係機関は情報収集に追われた。消防庁は16日、600人に抑えていた派遣規模を一転して2000人に拡大した。15日時点で4万人超から約7000人まで減っていた熊本県内の避難者は、最大約18万人に。物資輸送は後手に回り、多くの避難所で水や食料が枯渇した。地震の少ない九州の内陸という地域性も、住民や自治体の油断を招いた。熊本県で多数の死者が出た地震は1889年(M6.3)まで遡り、東日本大震災後の国民の防災意識は津波に偏っていた。“本震”の最大震度は、20日になって“7”に修正された。「『地震活動が時間の経過と共に徐々に収まる』という常識は崩れた」とする東京女子大学の広瀬弘忠名誉教授(災害リスク学)は、こう指摘する。「終わりを見通せない住民の不安感や、長期避難のストレスに対応できる防災対策を整えなければいけない」


≡読売新聞 2016年4月22日付掲載≡




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1日1600万円稼いだ伝説のカリスマホスト・井上敬一が明かした「俺が見た地獄」

「ホストの前に人間やろ!」と叫び、ドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)に何度も取り上げられた名物ホスト・井上敬一。その波瀾万丈過ぎる半生を本人が明かす。 (取材・文/フリーライター 伊藤亮)

20160422 02
井上敬一。恐らく、ホスト業界で彼の名を知らぬ者はいない。嘗て、ホスト激戦区である大阪のミナミで名を馳せ、引退後は経営面で辣腕を振るった伝説の人物である。その生き様は、毎週日曜日昼放送の異色のドキュメント番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)で取り上げられ、一躍全国区となった。第6弾まで放送された彼の番組では、「ホストの前に人間やろ!」という名文句も生まれた。しかし、最後は誰もが予期できないものとなる。まさかの脱税で借金1億円。折しも、「水商売やってたら何でもできる!」と豪語し、ホスト業界から離れた直後で、他の事業で借金を返そうと試みるが、どれも鳴かず飛ばず。まさに人生急降下というところで、放送は終わった。夜の世界で栄光を極めた男がドン底に墜ちる。まるでドラマのような話である。しかし、放送は終わっても彼の人生は終わらない。あのイケイケだった井上敬一は、そして最後に項垂れていた井上敬一は今、どうしているのか。

20160422 01
井上敬一は東京にいた。お洒落なブルー地チェックのスーツに白の開襟シャツは、ヤリ手の実業家という出で立ち。ただ、浅黒い肌と襟元に覗くクロスのシルバーネックレスが、ホスト時代の名残りを感じさせる。現在の肩書きは“ブランディングコミュニケーションデザイナー”。ホスト時代に培ったコミュニケーション術を説くセミナー等、講師業を中心に、複数の仕事を掛け持ちする。「借金を返す為に、周りからは『またホストやれや』と散々言われました。でも、自分はもう引退して次の道を作ると決めていたので。現役ホストの悩みは“将来”なんです。『結婚できるのか?』『昼間の仕事ができるのか?』というのが一番の悩み。そこで、『後輩たちの為に、自分が新たな道を切り拓かなければ』と思ったんです。そう決意した瞬間に、あの事件があったんです」。正直、返済は苦しい。税理士に任せっ切りだった為、本人からすれば“青天の霹靂”で背負った借金。重加算税も加わり1億円。当初は、これに毎日約4万円の延滞税が付いた。これまでの蓄えで返済し、現在は月給28万円の給料から毎月1~2万円を返している。事件から2年超、返済できたのは約3000万円…。「返済計画は、国税の人と相談しながら進めています。担当の方も番組を見ていてくれたので、優しくしてくれます(笑)」。ホストに戻れば、今ほど苦労無く借金を完済することは可能だろう。しかし、自分が啖呵を切ったことに責任を持つ。嘗ての関係者からは「何を考えとんねん」という呆れた視線も浴びた。それでも仁義を貫くのが井上敬一なのだ。「誕生日等の花形イベントの時は、お客さんがある程度お金を貯めてきてくれるんです。あの時は最高で600万円ぐらい持って来てくれた人がいた。そんな金額に見合うお酒なんてありませんから、酒樽を3つ用意して『1つ200万円でどうですか?』と」。井上敬一が1日で1600万円を売り上げ、記録を作った時の話だ。おっさんがキャバ嬢にチョコチョコ貢ぐのが可愛く見えてくる数字である。この快挙を井上は、ホストを始めて4年目、僅か24歳の若さで達成する。そして、長らくNo.1の称号を引っ提げ、店長として徐々に経営にシフトしつつ、推し進めてきたことは、どれもこれもが異色だった。「ホストに市民権を」を合い言葉に、風紀を正す組合を作ったり、従業員で募金活動・ゴミ清掃もしたりした。人材育成の為、従業員のケアは勿論、その親へも挨拶に出向き、店で親子参観をしたこともあった。従業員が仕出かした不始末に関しては、その場で土下座は当たり前。丸坊主にして謝りに行ったこともある。これだけを見れば、「何て模範的な好人物なんだろう」と思うだろう。だが、実際に活動を始められたのは、飽く迄もNo.1になり、経営に携わるようになってからのことだった。

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声優オタクのキチ○イ思考大研究――キモ過ぎる悪質行為が止まらない! 逮捕者多数のガチ犯罪者集団

ただでさえ気持ち悪いオタクの中でも、一際キモい“声優オタク”。何故彼らがキモいのか、その理由を徹底解剖してみたぞ!

20160419 01
アイドルや鉄道、軍事からアニメまで、今の世にはあらゆるオタクが存在する。だが、その中でも性癖・行動・外見を含めて最も気持ち悪いとされるのが、今回のテーマである“声優オタク”(以下、声オタ)だ。例えば、人気声優・三森すずこのファン等は、彼女が表紙を飾った雑誌に射精し、その画像を本人に送りつけるというグロテスク極まりない行動を起こしている。だが、それはまだまだヌルいほうで、声オタには一般人が想像だにしない、更に異常な行為を平然とやってのける輩がゴマンといるのだ。何故、声オタはそれほどまでに気持ち悪い性質を持っているのか。彼らの起こした事件や奇行を追いつつ、その謎を探っていこう。声優専門誌『声優グランプリ』(主婦の友社)の付録『声優名鑑』によれば、2001年には声優の数が370名だったのに対し、2016年には1190名にまで増えている。声優が増えれば、そのファンである声オタも増えるのは必然。しかし、キモい声オタが増えた理由はそれだけではない。それを解くキーワードは“声優のアイドル化”である。元々、声優という職業は俳優が副業として行う仕事であり、専門職ではなかった。それが1970年代末、第2次アニメブームから声優職の専任化が定着。そして、『宇宙戦艦ヤマト』のヒロイン・森雪役の麻上洋子を始めとした人気女性声優がラジオやグラビア等で露出を強める等、声優によるアイドル的な活動が始まったのだ。この波は、1980年代に入ってから勢いを増していき、1990年代中頃には前出の『声優グランプリ』等の声優専門誌が創刊。その辺りから“アイドル声優”という俗称が広く使われるようになった。更にその頃、深夜アニメが量産されて声優の活躍の場が急増。それと同時に競争の激化が始まり、声優は“ビジュアルの良さ”や“歌唱力”といったアイドル的な要素を強く求められ、事務所側も露骨な“アイドル声優”を作り上げていった。そういった“声優のアイドル化”のピークの1つが、1997年の椎名へきるによる声優としては初となる日本武道館単独ライブの成功だ。そして2000年代に入ると、声優のライブ活動が益々盛んに。紅白にも出場した水樹奈々や、田村ゆかり・堀江由衣といった実力派のアイドル声優たちは、歌手としても大成した。更に、乙女ゲーや腐女子コンテンツのおかげでイケメンボイスな男性声優も大幅に増え、男女共に“アイドル声優ブーム”が本格化したのである。

昔はどんなにドブスでも、実力さえあれば活躍できた声優業界。しかし今では、デビューする新人の顔面偏差値は、最低でも“並以上”に限られる。ドブスが駆逐されたことで素材も揃い、アイドル声優ブームはまさに今、最盛期を迎えているのだ。そして、選り取り見取りのアイドル声優たちを餌に、声オタたちもまたゴキブリの如く増殖している。それで今日、彼らみたいな声オタがインターネットでもリアルでも、恥知らずな行為を晒しまくっている状態が恒常化してしまったのだ。声オタたちのキモい性質を知る上では、彼らが起こした犯罪行為がいい例となる。先ずは2013年、アニメ関連のイベントで起きた暴力事件。キャスト陣が並ぶステージ上に、バールを持った声オタが突如乱入したのだ。そして「犯罪者の田中理恵を出せ!」と叫びながら、出演者の1人である人気声優の田中理恵を狙って持っていたバールを振り回し、大暴れをしたのだ。勿論、田中を含め、ステージにいた声優陣は迅速に避難。その後、直ぐに声オタは取り押さえられたが、どうやらナイフも所持していたようで、銃刀法違反で御用。幸い怪我人は出なかったが、田中は精神的ショックで救急車で運ばれてしまった。肝心の動機だが、どうやら前年に田中が婚約を発表したことへの逆恨みらしい。「犯罪者!」と罵ったのは、ファンである自分を裏切った罪ということなのだろう。 また、『涼宮ハルヒの憂鬱』のハルヒ役で一世を風靡したアイドル声優の平野綾も、キチ○イ声オタの被害者だ。2010年8月4日、トーク番組『グータンヌーボ』(関西テレビ/フジテレビ系)に平野が出演した時のこと。恋愛経験の有無を問われた平野は、「複数の年上男性と関係を持った」「付き合った年上男性をよく泣かせていた」「芝居で恋愛の実体験を活かしています」等と、自身の恋愛体験をあっさりと暴露。平野が処女だと信じていた声オタたちはすぐさま発狂し、インターネットの掲示板には平野のCDやブロマイドを破壊する画像や動画が反乱。そして「平野殺す!」が飛び交う、前代未聞の殺害予告ブームに発展したのだ。インターネット上には「殺す」を連呼する捻りの無いものから、「このクソアマぶっ殺す」「レイプして殺す」といった下品極まりないものまで、正視に耐えない罵詈雑言が溢れ返った。結局、この炎上状態は暫く続いたが、翌2011年、インターネット上で殺害予告を繰り返していた男が逮捕されたことで、一応終息した。これらの事件から、声オタにはある危険な特徴が共通していることがわかる。それは、“愛情がそのまま憎しみへと転化する”(パラドックスラブ)という症状だ。元々、犯罪者の資質が強い人間は、女性を“聖母”か“娼婦”の二元論で捉える傾向が強いというが、その傾向は声オタにとってもピッタリと合致する。つまり、声オタが多数の刑法違反を犯す理由は、「元々犯罪者気質が旺盛だから」なのだ。声オタから感じる気持ち悪さの本質は、犯罪者からそこはかとなく漂う違和感・不快感と同じものかもしれない。

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テーマ : 声優
ジャンル : アニメ・コミック

【偽善の逆襲】(06) LGBT、どうぞお好きに

20160405 06
“BLT”は、サンドウィッチ屋の『サブウェイ』で売ってる“べーコンレタストマト”のことだが、“LGBT”ともなると話はかなり違ってくる。“エルジービーティー”。女性同性愛者(レスビアン・Lesbian)・男性同性愛者(ゲイ・Gay)・両性愛者(バイセクシュアル・Bisexual)・性同一性障害を含む性別越境者等(トランスジェンダー・Transgender)の人々を意味する頭字語であるそうな。今、男性同性愛者を“ホモ”等と言っては失笑を買う。小生の世代は、『森永ホモ牛乳』と書かれただけで陳列棚に手が出せなかった。何のことはない。これは牛乳中にある脂肪球を均質化する“ホモジナイズド”の意味で、レッテルには愛称“ホモちゃん”のキャラクター絵が描かれていた。当時の森永の開発者、中々遊び心がおありだった。このLGBTの社会的認知を進めようという取り組みが、世間の注目を集めている。というか、無理やり注目させられていると言ったほうが当たっていようか。そのお先棒を真っ先に担いだのが渋谷区役所である。同性愛者に“パートナーシップ証明書”とやらを配布し始めた。何でも、生命保険の受取人は同性(同性愛者ではなく)では不可で、これではレズもゲイもパートナーを残して安んじて死ねない(と本人たちが言ったかどうかは知らないが)だろうと、お役所が気を利かせたものらしい。

昨年11月5日、早速、渋谷区役所には美人レスビアンカップルがこの紙切れをもらいに登場。NHK始め、朝昼晩の定時ストレートニュースを総なめにした。次に、NHKが独走態勢に入った。ここ数年のNHKは、Eテレを中心に同性愛者の生き方をテーマに真面目な番組を作ってきた実績はある。だが、ここにきて拍車がかかった感がある。総合テレビでは、午前中から『サキどり↗』(2015年11月15日)・『あさイチ』(2016年1月6日)で、LGBTをカミングアウトした男女をゲストに迎え、特集番組として放送している。両方共に視聴したが、要するにNHKプロデューサーだかディレクターだかの“マイブーム”に過ぎないのだと納得した。NHK内部のローカル現象であろう。勘繰れば、渋谷区のお先走りも御近所のNHKの仕込みがあったせいではないか。それくらい、両番組とも思慮足りなく、底浅いサークル的ノリに終始していた。この程度なら、LGBTの世界など昔から存在していたし、私を含めた周囲の社会の認知度も寛容度も何ら変わるところはない。ボーイッシュな女の子と少女のような男の子は、小学校45人クラスに必ず1人ずついたものだ。大学まで偏差値の高い学校に通い、世間知らずのまま30代・40代を迎えたNHKエリートが、「何か面白いテーマはないか? ABCDEFG…L、これだ! LGBT」と飛び付いたのがレズやゲイの世界だったのだろう。「そこに“社会性”という粉砂糖を塗してやれば、“孤独死”“老後破産”“介護離職”のように今日的な手つかずの問題性を謳った番組として売り込めるぞ。目立ちたがりでお調子者のLGBTを集めてこい!」――。お勉強はできるが、あんまり物事を深くは考えられないエリートにありがちな残念な発想である。

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テーマ : 同性愛
ジャンル : 心と身体

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