【“疑似科学”と科学の間】(01) 魅力的な“ストーリー”にご用心! “疑似科学”が人々を惹き付ける理由――中谷内一也×武田徹×竹内薫

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竹内「先ず、抑々『科学的である』とはどういうことかというと、科学・哲学では反証主義の立場を取るのが普通です。その仮説が誤りだという証拠が出てきた場合、潔くその仮説が誤りだと認めるのが科学的な態度だということです。ただ、実際には完全に反証できるものは少ないのも事実です。STAP細胞だって、『絶対に存在しない』と反証することは結局できなかったんです。それが、あの騒動が長引いた理由です。その意味で、科学的か科学的でないかを断言することは、非常に難しいことなんですよ」
中谷内「STAP細胞は“疑似科学”だと考えていいんですか?」
竹内「今はそう言えると思います。科学と“疑似科学”の両極の間には広大なグレーゾーンが広がっていて、あらゆる仮説がその間で揺れ動いているんです。当初、STAP細胞は、論文が“ネイチャー”という世界的に有名で権威のある雑誌に掲載されたこともあって、“科学的な仮説”として受け止められましたが、論文の査読をした人たちは実験をして確かめた訳ではありません。ですから、この時点では飽く迄も仮説に過ぎない訳です。その仮説が様々な第三者に追試されることで、仮説の確からしさが証明されていく訳ですが、STAP細胞の場合は誰も再現できなかった。だから、時間が経つに従って『どうやら、この仮説は誤りだな』とわかってきた訳です」
武田「ただ、無いものの証明は難しいですからね。“完全に誤り=黒い仮説”だと言い切るのは難しくて、限りなく黒い仮説でも、その中の正しそうな部分に注目して研究してしまうのが科学者の性なんです。アプローチを変えることで、“科学的に正い=白い仮説”になる可能性を追究する人はいますから」
竹内「そのグレーゾーンの幅広さが、中々一般の人には理解してもらえない。『で、正しいのか間違いなのか、どっちなんだ?』と二分法で問われると、科学者としては困ってしまう。グレーの中にも白寄りのグレーと黒寄りのグレーがありますから。『100%正しい』とも『100%間違い』とも断言し難いんです。例えば、精神病の治療法として、頭蓋骨に穴を開けて脳の一部を切り取るロボトミー手術を考案したアントニオ・エガス・モニスはノーべル賞を取っていますが、今ではとんでもない治療法だとわかっていますよね。ある時代に白い仮説だと言われていたものが、後に黒い仮説だと判明することはあるんです」
武田「白が黒になる場合もあるし、黒が白になる場合もある。そうした事情を思うと、科学と“疑似科学”は質的にそう明確には隔てられない。更に言えば、疑似科学的なものも科学的な解決を求めたがる気分が作っているのであって、科学を求めれば求めるはど“疑似科学”も出てきてしまうという矛盾があります。

――人に害を及ぼすような危険なグレーの仮説はありますか?
竹内「医療関係、特に民間療法には怪しいものが多いです」
中谷内「ホメオパシー(植物や鉱物等の成分を限りなく薄めた水を砂糖玉に染み込ませ、飲み薬のようにして使う民間療法)はどうですか? あれは素人目にも胡散臭いですが…」
竹内「“疑似科学”と言っていいと思います。ただ、“治療”を受けている患者が『効果がある』と信じている時に、“プラセボ効果”――つまり、薬物そのものの効能ではなく心理作用に依って症状が改善することはあるのかもしれない。科学的効果は実証されていないことや、リスクがあることを承知の上で、それでも本人が選択するというのなら、それを無理に止めるのは難しいです」
武田「嫌味な言葉だけど、“愚行権”という概念もある。何を“愚”と思うかも人其々だし。ただ、それを認めた上で尚、言えることは言っておきたい」
竹内「こういうことを言って『“疑似科学”擁護者だ』と誤解されてしまうと困るんですが(笑)。科学者としては、正確には『現時点ではグレー度80%くらいだから粗怪しい』『現時点ではグレー度10%くらいだから粗正しい』という言い方になりますね」
武田「例えば、放射線の話にしても、誠実な科学者なら、たとえ危険度が低くても『絶対に安全だ』という表現はできない訳です。ただ、そうすると、一般には『危険だ』と言っていることと同義だと受け止められてしまう。科学者と一般の人々との間で認識の齟齬が生まれてしまうのが難しいところです」
中谷内「専門家でない立場からすれば、それも仕方ないと思う部分もあります。僕は、人々がリスクをどのように捉えるのかを研究しているんですが、例えば、専門家は被曝に依って、『100人のうち10人が癌になるよりは、100人のうち1人が癌になるほうがマシだ』という確率的な判断を行う訳ですが、個人の立場からすると『危険か安全か』の2択になってしまう。確率が10%であろうと1%であろうと、自分がそのうちの1人になってしまっては意味が無い。そう考えると、専門家の考え方をそのまま押し付けるのも上手なコミュニケーションとは言えないと思います」

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【本当の教育を取り戻す!】(05) “目を輝かせる子供たちの学校”は、こうして生まれた

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「『子供たちの表情・目の輝きを見て下さい』と私は言うんです。そこに現れる集中して取り組もうとする姿勢…そうしたものを見てもらえば、納得できる筈です」と語るのは、長野県北相木村立北相木小学校校長の日向忠久だ。同校では、佐賀県武雄市が勧める“官民一体型学校”の民側として参加している学習塾『花まる学習会』と提携したカリキュラムを実施している。「その成果について、保護者からも近隣の学校の先生方からも訊かれるんです。テストの点数が上がったといった話を期待されているんでしょうが、花まる学習会とやっている本来の目的は、ただテストの点数を上げることではありません。漢字とか地図等も盛り込んだ内容になっているので、結果的にテストの点数にも繋がっているかもしれません。しかし、それより重要なことは、子供たちの学習に対する姿勢・生きる姿勢を前向きにできることです。そうしたものは、テストでの数値で測れるものではありません。だから私は、『子供たちの表情を見てくれ』と言うんです。子供たちの目の輝き方を見れば、成果が出ていることをわかってもらえます。実際、見学された先生方は皆さん、『なるほど』と言って帰っていかれます。北相木小が花まる学習会と共にやっていることは、農業で言えば“土壌作り”です。人生で花を咲かせ、実を実らせる為の、子供たちの“土壌”を造っています」。とは言え、そうした土壌作りは、花まる学習会と組めば簡単に実現できる訳ではない。日向が赴任してきて4年目になるが、その前から提携は始まっていた。しかし、北相木小に来たばかりの日向の目には“土壌作り”には見えなかった。「赴任してきたばかりの時は、こんな風に展開していくとは思ってもみませんでした」と言って、赴任してきたばかりの様子を日向は次のように語った。「今でも同じですが、花まる学習会からは月に一度だけ講師がやって来て、各クラスを指導して帰っていきます。それを教員たちは、『外部講師がやって来て、何か面白いことをやっている』くらいにしか受け止めていないようでした。子供たちも、普段の授業とは違ったことをやってもらえば楽しい訳です。けれど、それもマンネリ化してきて興味を失っている状態のように見えました」。だから日向は、「これで、どんな力が子供たちに付くのか?」と疑問にさえ思っていたという。しかし、花まる学習会との提携は村の教育委員会の方針として取り組んでいることであり、「校長だからといって、どうのこうのと言える話ではない」と前任の校長にも釘を刺されていた。

花まる学習会との提携カリキュラムに対して同じような疑問を、日向と同じ時期に北相木小に赴任してきて、研究主任を務めるようになった太田潤も抱いていた。「ここに来たのは2012年4月で、花まる学習会との提携が始まって半年ちょっとくらい経った頃でした。赴任前に挨拶に来た時、当時の校長から『こういうことをやっている』と聞かされていたので、少しは勉強してきていましたが、私が事前に理解していた花まる学習会の授業と、講師が来てやる授業は別としても、北相木小の教員がやっている花まるカリキュラムは、どうも違っている気がしました。『花まるっぽいことをやっている』…言い過ぎかもしれませんが、ただ形だけを真似ているといった印象でした」。例えば、“サボテン”という花まる学習会が開発した計算練習がある。同じ問題を、一定の時間内にスピード感を持って解く練習を繰り返すというものだ。「計算力は反復に依って身に付く」との考えに基づいている。他人と競うことが目的ではない。同じ問題を繰り返し解いていくことで、答えが暗記できるのではなく、計算そのものが正確に早くなっていく。自身の成長を実感することができ、そこから自信が生まれ、学ぶことそのものに楽しさを見つけることができる。学ぶことの下地作り――校長の日向の言葉を借りれば、土壌作りをしていく為のカリキュラムだ。それも、クラス全員が一緒に取り組むことでスピード感を重視する環境が生まれ、それに依って集中力も高まり、それでこそ効果も上がる。ところが、太田が赴任してきたばかりの北相木小の教員たちは、そのサボテンの問題を普通に宿題にしていた。それでは、いくら計算ができても、サボテン本来の目的を達成することはできない。花まる学習会の狙いは実現できず、まさに形だけを真似ているだけに過ぎない。かといって、太田も花まる学習会の学習法を完全に理解していた訳ではない。それでも、校長でさえ口を挟めない村の教育委員会の方針なのだから、教員でしかない太田が無視する訳にもいかなかった。「『それなら、本来のサボテンのやり方でやってみよう』と思いました。『私がやってみて良いと感じられたら、他の先生方にも広めてみよう』と思ったんです」。その時、太田が担任したのは2年生のクラスだった。そこで、本来のサボテンのやり方で半年間やってみた。「そのうち、『算数が苦手だ』って言っていたが、苦手意識も薄らいでいくし、計算も早くなっていく。『俺ってできるんじゃないの?』という自信というか、上向きのパワーが湧いてくるんでしょうね」。それに依って、花まる学習会のプログラムに取り組む太田自身の姿勢が大きく変わっていく。「それからは、来てもらっている花まる学習会の講師に色々質問したりするようになりました」。但し、「花まる学習会のやり方をそのまま導入すればいい」と考えた訳ではない。北相木小は公立の学校である以上、文部科学省の定めた学習指導要領を無視する訳にはいかず、飽く迄もそれを主流にしながら花まる学習会的なものを導入するということになる。

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【公明党・創価学会よどこへ行く】(11) 『創価大学』入学は“お買い得”? 偏差値は中堅以下だが、難関国家試験で大健闘

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「人間教育の最高学府たれ」という建学の精神の下、『創価大学』(東京都八王子市)は『創価学会』の池田大作名誉会長に依って、1971年に設立された。現在は、経済・経営・法・文・教育・国際教養・理工・看護の8学部が揃う。一般には、創価学会のエリート幹部養成校ぐらいに考えられてきたかもしれないが、国家試験・公務員試験・一般企業への就職実績で目覚ましい成果を上げている。先ずは司法試験。今年は同法科大学院から14人が合格し、横浜国立大学や千葉大学と並んだ。合格率は17.9%で、上智大学や同志社大学を上回る。2014年までの累計合格者は284人で、早稲田大学や中央大学といった歴史のある大規模校と比べると数では劣るが、中堅規模の私立大学としてはかなり多い。『日本弁護士連合会』の刑事法制委員会事務局長を務め、所謂“人権派弁護士”として知られる山下幸夫氏は、同大学法学部OBだ(11期生・1985年卒)。中央大学と東京都立大学(現在の首都大学東京)にも合格したが、受験時に見た「キャンパスや学生の雰囲気が気に入って」、創価大学に進んだという。「司法試験対策のしっかりした指導が受けられることも魅力だった。国家試験の受験では、先輩が後輩に教えるという良い伝統があるので、司法試験に合格した翌年は私も1年間くらい、土日を利用してボランティアでゼミや答案練習会で指導していた」と振り返る。所謂“難関国家試験”でも、公認会計士214人・税理士181人・国家公務員総合職(旧上級職)45人等、合格者が輩出している。こうした国家試験の受験生をサポートするのが、学内で“国研”と呼ぶ国家試験研究室だ。会計・税務教育センター(会計士・税理士試験)と行政教育センター(公務員試験)で構成される。以前は司法試験向けの支援もしていたが、現在は法科大学院の法律教育センターが担っている。教員採用試験は、毎年の合格者200人超が14年間続いている。これまでに6500人の教員を送り出してきた。

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資格試験だけでなく、就職実績も順調だ。『大学通信』に依ると、実就職率(卒業者から大学院進学者を除いて算出した就職率)でも創価大学は上位に入る。同社ゼネラルマネージャーの安田賢治氏は、「今年の実就職率は91%で、経済系で全国12位。入学偏差値では上位にいる日東駒専が76~84%で60位以下だから、大健闘」と話す。就職率がいいだけではない。就職先も大手一流企業が日白押しだ。安田氏が指摘するように、創価大学の偏差値は決して高くない。比較的人気のある経済学部であっても45と、難易度は中堅以下だ。他の学部も、偏差値40台前半から50台前半だ。何故、こんなに実績が良いのだろうか? 安田氏は、次のように話す。「創価大学の場合、学会信者だと一流国立大や私大トップクラスと併願することも多い。また、首都圏にある大学にも拘らず、それ以外の地方からの合格者が6割もいる。早慶等の全国的な知名度のある私立大学で3割だから、これも大きな特徴」。つまり、第1志望で偏差値の高い大学を狙って果たせなかった優秀な受験生が、創価大学に一定数流れてくるのだ。一方で、全国の学会員の若者が、池田名誉会長が創設した大学で学べる誇りを感じながら上京し、強いモチベーションと使命感を持ちつつ、勤勉な大学生活を送る。「『社会で活躍しよう』という意欲の高い学生を、大学が手厚く教育している印象がある。真面目な学生が多いので、採用する企業側の評判も良いのでしょう。創価学会との関係を気にする人もいるが、昔と違って社会的にも認知され、抵抗感を抱く人も減ってきたのでは」と安田氏は見る。社会の一部には、「創価学会とのビジネス上の付き合いを重視して、創価大学生を採用する」という見方もあるが、それだけでビジネスの繋がりが深まるほど簡単ではなかろう。「学生の能力や意欲を判断して採用している」と考えるのが妥当だろう。

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【大世界史2015】(10) 微分積分の完成(17世紀)――人口減がニュートンとライプニッツを生んだ

高校の数学で習う微分積分は、今の世の中に欠かせない。そればかりか、その威力を知れば、近代ヨーロッパの世界制覇も微分積分無しには不可能だったと思うことだろう。本誌は数学ではなく、歴史についての本だから、ここで「微分積分とは何か」を説明するのは控えよう。何に力を発揮するかと言えば、例えば、微分積分は時間と共に刻々と変化する運動を分析するのに、非常に役に立つ。人工衛星も、微分積分が無ければ打ち上げられない。扨て、この微分積分を作ったのは誰かと言えば、17世紀に生まれたニュートンとライプニッツと言われている。しかし、1人や2人の天才だけでは、微分積分のような世の中を変えてしまう理論を築くことはできない。直ぐに思いつくだけでも、次のような人々が微分積分の完成に寄与している。

アルキメデス(紀元前287~紀元前212)
ケプラー(1571~1630)
メルセンヌ(1588~1648)
カヴァリエリ(1598~1647)
ジル・ド・ロベルヴァル(1602~1675)
フェルマー(1607頃~1665)
トリチェリ(1608~1647)
パスカル(1623~1662)
バロー(1630~1677)
ニュートン(1643~1727)
ライプニッツ(1646~1716)

ご覧頂くと、人材が17世紀に集中していることがわかるだろう。何故、この時期に天才が続々と出現したのだろうか? その問いに答える為には先ず、時間を遡らなければならない。1095年1月。ウルバヌス2世はクレルモン公会議で、中世最高と言われる名演説をする。この演説は、キリスト教の聖地・エルサレムをセルジュク=トルコに奪われ、領土を脅かされたビザンティン皇帝の救援の求めに応じてなされた。聖地奪還の為の遠征を唱えたこの演説に依って、十字軍の遠征が始まる。その当時、ローマ教会は知識の中心だった。イスラムの実力を知らない訳ではなく、様々なルートで情報を集めていた。例えば、イスラムの大学にアラビア人に変装した僧を潜り込ませ、その講義録を持ち返らせていた。しかし、その情報はローマ教皇庁から外に出されることはなかった。キリスト教信者たちがそれを知れば、ローマ教会の権威が揺らいでしまうからだ。

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だから、ヨーロッパのキリスト教世界に住む人々は、「ローマカトリックが最高の宗教であり、この世に救済と幸福を齎す」と信じた。しかし、200年に亘って幾度もなされた十字軍の遠征に依って、その信仰は揺らいでいった。十字軍に参加した王・諸侯・無名の戦士たちが、イスラム世界と出合ったからだ。敵となったイスラムの軍隊は統率が取れ、よく訓練されていた。武器も、自分たちが持っていたものより優れていた。ヨーロッパに勝るとも劣らない美しい建築や芸術もあった。それは、立っていた地面が揺れるような体験だった。感受性が鋭く、知性を備えた人々は、「ローマ教会がこれまで言ってきたことは可笑しい」と気が付いた。中には、キリスト教を棄てる人まで現れた。ヨーロッパの人々の心に、ローマ教会やキリスト教への疑念が生まれた。「神が創造した自然の摂理は、聖職者からしか学んではいけないのか?」「直接、神や自然と対話してはいけないのか?」「それを禁じることこそ、神に背くことではないのか?」――この疑念の種は軈て、“近代科学”という花を咲かせる。既にある教義に依って自然を解釈するのではなく、自然を注意深く観察し、その内に隠されている法則を発見することこそが自然科学の営みだからである。また、十字軍遠征に依って、ヨーロッパ世界は「イスラム世界から学ぶべきものは多い」と悟った。アリストテレスやユークリッド等、古代ギリシアの哲学や数学、イスラムの科学や技芸についてのアラビア語文献が大量に翻訳され、ヨーロッパの知的水準を高めていった。このような動きは、“12世紀ルネサンス”と呼ばれることもある。科学史を考える上で特に注目すべき地域はフランス南西部、ワインで有名なボルドーがあるガスコーニュ地方である。この地方からは、多くの人々が十字軍に参加した。近代哲学の祖と言われるデカルトや、『最終定理』で有名な数学者のフェルマー等、ガスコーニュ地方から影響を受け易い地方が天才を数多く輩出したのは、そこに源があるのではないだろうか。イスラムとの出合いから、近代科学の成果の1つである微分積分が生み出されるまでには、凡そ500年がかかった。しかし、その衝撃は間違いなく、微分積分の土台の一部になっている。

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【アメリカ大統領選2016・有権者は今】(04) 格差拡大、リベラル伸長…“教育の平等”に支持

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「私は完全な敗者なのかしら。子供たちには同じ境遇になってほしくない」――17歳を筆頭に12歳・8歳と、3人の娘を育てるシングルマザーのサラ・サイモンさん(46)は時折、こう思う。太平洋岸のオレゴン州ポートランド中心部から車で15分ほど離れた古いアパートの1室に、サイモンさんら一家4人は暮らしている。高齢者介護や住宅清掃の仕事をしているが、収入は少なく、家賃や食費を賄うのが精一杯だ。負担になっているのは、学生ローンの返済だ。高校卒業後、学費を借りてレストラン等で働きながら大学に通った。卒業後、収入が少ない時期に返済を猶予してもらったが、滞納分の利息が膨らみ、残高は13万5000ドル(約1660万円)。数万ドルだった当初の返済額より遥かに多く、返済する余裕が無い。「低所得世帯では、ローンを借りないと子供が大学に通えない。卒業後も負債塗れで…」。サイモンさんは溜め息を吐いた。サイモンさんのような例は特別ではない。大学の授業料が高いアメリカでは、学生の約4割がローンに頼るが、利用者の17%が長期滞納か返済不能に陥っている。サイモンさんが期待するのは、民主党の大統領候補で“社会主義者”を自称するバーニー・サンダース上院議員(74)だ。公立大学の無償化や、連邦法で時給7.25ドル(約890円)となっている最低賃金を粗倍の15ドルに引き上げるといった極端な公約で人気を集め、本命視されるヒラリー・クリントン前国務長官(68)を相手に健闘している。

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サンダース人気の背景にあるのは、経済格差の拡大だ。国勢調査局に依ると、2014年の家計所得比較では、上位5%の平均年収が約33万ドル(約4000万円)だったのに対し、下位20%の年収は約1万1700ドル(約140万円)。30年前は17倍だった格差が、今は28倍以上にまで広がった。格差の拡大は、人々の意識も変えた。「社会的な公正の為には、“大きな政府”に依る国家の介入も必要」と考える人々をアメリカでは“リベラル”と呼ぶが、民主党では、自身を「非常にリベラルだ」と考える人の割合が、1990年の13%に対し今年は26%と倍増している。(『ウォールストリートジャーナル』と『NBCテレビ』が9月に発表した世論調査)。10月中旬、最低賃金の引き上げ等の勤労者の利益拡大を求める団体が主催したサンダース氏の支持集会では、作家のバーバラ・エーレンライク氏が「貧困とは超富裕層の裏面だ。全米で最も豊かな一族は、最も多くの低賃金労働者で成り立っている」と力説した。民主党の中で、よりリベラル色の強い主張が支持を広げる“左傾化”が起きているようだ。2008年の大統領選では“中道”として戦ったクリントン氏も、今回は形振り構わず、日本の短期大学に近い公立2年制の“コミュニティーカレッジ”の授業料無償化等、格差解消を意識したリベラル色の強い公約を打ち出している。サイモンさんの長女・ブリアナさん(17)は来年、高校を卒業し大学進学を目指す。「ローンは借りたくない」と言うが、学費を工面できる目途は立っていない。「教育の機会均等が社会全般の格差解消に繋がる」と信じる人は少なくない。サイモンさんは呟いた。「貧しいと大学に行けないのは悲惨よ。子供たちにも、他の人たちと同じように進学の機会を与えてほしい」 (安江邦彦)


≡読売新聞 2015年11月12日付掲載≡


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【オワハラ時代の大学と就活】(10) 公務員と警察官のトップは日本大学――職種別就職者数ランキング

地元志向の高まりを受け、人気の高まる地方公務員・警察官・看護師・保育士・キャビンアテンダントの5つの職種別に、就職者数の多い大学をランキングした。 (『大学通信』情報調査編集部 安田賢治・井沢秀)

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各大学発表の今春の就職データを基に、職業別就職者数をランキングした。東京大学等、データを未公表又は未集計の大学は掲載していない。大学名の無印は国立大学、◎印は私立大学。大学に依り、大学院修了者を含む場合がある。

■地方公務員…大規模校や教育系が上位
大学生の就職事情が好転しているとはいえ、大学生の公務員志向は根強い。地方公務員の就職者数ランキングトップは、昨年に続き日本大学で、2010年に比べ129人増となっている。日本大学の今春の卒業生は1万4115人。大学の規模が大きい分、地方公務員就職者も多くなっている。3位の早稲田大学(卒業生1万3160人)や4位の立命館大学(同8111人)も同様だろう。勿論、支援も手厚い。日本大学には公務員試験支援センターがあり、早稲田大学と立命館大学は公務員対策講座で学生をフォローする。2位は愛知教育大学。教育系単科大学は、公立学校の教員に就職する学生が多いことが要因だ。5位の千葉大学、6位の広島大学、7位の文教大学、10位の金沢大学、11位の埼玉大学等も、公立学校への就職者の多さが地方公務員の就職者数を押し上げる要因となっている。

■警察官…トップ20は全て私立
地元での就職を目指す学生が多いことを反映して、警察官の人気も高まっている。異動が各都道府県内に限られることも、人気が高い理由だ。就職者数トップは日本大学の161人で、国士舘大学の132人、東海大学の106人の順。トップ10位には大手の大学が多い。90人で5位となった日本文化大学は、法学部のみの単科大学だ。“警察官就職者教÷(卒業生数-大学院進学者数)×100)”で計算される警察官実就職者数で見ると、47.1%の高率だ。卒業生の約2人に1人が警察官ということになる。少人数である利点を生かし、きめ細かい指導が実績に結びついている。トップ20校は全て私立大学だが、地方国立大学の鹿屋体育大学(23人で44位)や山形大学(20人で49位)等も就職者は多い。地元就職先として定着しつつあることは確かだ。

■看護師…4位まで昨年と同順位
高齢化の進行に伴い、看護師の働く場が社会福祉施設や訪問看護等にも広がっている。看護師のニーズは相変わらず高く、養成に取り組む大学も増え続けている。2015年の看護師国家試験合格者ランキングのトップは昨年と同じ順天堂大学で、以下、国際医療福祉大学・東京医療保健大学・聖隷クリストファー大学まで同じ順位。順天堂大学は東京・福岡、国際医療福祉大は栃木・神奈川・福岡にキャンパスがあり、定員の多さがそのまま看護師国家試験の合格者数が多い一因となっている。ランキング上位の大学は、合格者数だけではなく合格率も高い。順天堂大学は合格率98.4%。ベスト5に入った大学は、何れも合格率が95%を超えている。これら大学以外にも、看護師国家試験は合格率が高い大学が多い。大学全体の合格率は95.5%で、埼玉県立大学や独協医科大学等の26校が合格率100%となっている。

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【オワハラ時代の大学と就活】(09) 文系は『九州ルーテル学院』、理系は『東都医療』――入り易くて就職し易い“お値打ち大学”ランキング

景気回復が進み、厳しかった大学生の就職も売り手市場に変わってきた。ほんの数年前まで企業は厳選採用だったが、今は学生が企業を厳選する時代に転換している。そんな中で、就職に強い大学・学部はどこなのだろうか? ここでは、“実就職率”と入学時の大学・学部の難易度が一目でわかる表を作成した。実就職率は、“就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100”で算出する。その実就職率から駿台予備学校の難易度を差し引いた指数でランキングにしている。就職率が高くても、難易度が高ければ表には出てこない。まさに、“入り易くて就職し易い”お値打ち大学・学部の一覧だ。文系トップは『九州ルーテル学院大学』人文学部だ。実就職率は、卒業生数100人以上の大学中9位の97.1%で、難易度は40で指数は57.1となる。2位は『日本文化大学』法学部の56.3だ。法学部の単科大学で、警察官への就職率が日本一だ。3位は『仁愛大学』人間生活学部の56.2と続く。福祉や教育関連の学部が上位に並んだ点が特徴だ。理系のトップは、3校が57.0で並んだ。『東都医療大学』ヒューマンケア学部は単科大学で、学科は看護のみだ。実就職率は99%で、卒業生数100人以上の大学中3位の高成績で、難易度は42で指数は57.0になる。同様に、『福山大学』工学部・『西日本大学』工学部も57.0でトップだ。工学系が上位にきているが、理工系では難易度50以下の大学の実就職率のほうが、50以上の大学より高いことが大きな理由だろう。それ以外でも、医療系学部の指数も高くなっている。更に、表に登場する大学を見ると、地方、しかも単科大学が強いことが特徴と言える。ただ、中には『金沢工業大学』のように、13位の環境・建築学部を始め、4学部全てが上位に入った大学もある。『福岡工業大学』も9位の工学部、44位の情報工学部、文系の社会環境学部が39位と、全学部が表に出てくる。何れも面倒見の良い大学として知られ、大学全体で見ても“お値打ち”と言えそうだ。 (『大学通信』情報調査編集部ゼネラルマネージャー 安田賢治)

文系学部ベスト50
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理系学部ベスト50
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キャプチャ  2015年8月25日号掲載


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【オワハラ時代の大学と就活】(08) 主要企業100社大学別就職者数ランキング

『主要企業100社大学別就職者数ランキング』は、全国公立・私立大学(医学部と歯学部の単科系大学を除く)を対象に実施した、2015年3月の卒業生の就職状況アンケートから集計した。有力企業は、日経平均株価採用企業225社及び大学生の人気企業ランキング・規模・知名度を参考にして400社を選び、その内の100社を掲載した(『大和証券グループ』は企業公表のデータ)。業績毎の特徴を見ると、建設・住宅は早稲田大学が『大林組』と『鹿島』でトップ。日本大学は『積水ハウス』『大成建設』『大和ハウス工業』でトップと、両校の強さが際立つ。日本大学は、3つの理工系学部に建築系の学科があることが、この系統に強い要因だ。製造業は地域性が表れている。大阪に本社がある『シャープ』のトップは大阪大学で、京都に本社がある『京セラグループ』は立命館大学が1位。同社の2位以下は同志社大学・関西学院大学・関西大学・近畿大学で、上位を近畿圏の大学が占める。『ソニー』は東京の大学が上位に並び、『トヨタ自動車』のトップは名古屋大学だ。この要因として、共同研究等を通して地元企業との関連性が強いことが挙げられる。一方、『日立製作所』のように幅広く全国の大学と共同研究を行っている企業は、全国各地の大学がランキングに入っている。商社や金融は早慶が強い。慶應義塾大学は『伊藤忠商事』『住友商事』『三井物産』『三菱商事』『みずほフィナンシャルグループ』でトップ。早稲田大学は、前出の慶應がトップの企業の大半で2位となり、『三菱東京UFJ銀行』はトップ。商社は東京大学・一橋大学・京都大学・神戸大学・大阪大学等、難関の国立大学の就職者も多い。銀行は、『三井住友銀行』のトップが関西学院大学で『りそなグループ』のトップが明治大学等、難関の私立大学の就職者が多いことが特徴だ。 (大学通信情報調査編集部チーフ 井沢秀)

※表の見方
各大学発表の今春の就職データを基に、企業別就職者数をランキングした(東京大学は『東京大学新聞』の集計)。一部、企業が公表した人数を集計。データを未公表又は未集計の大学は、掲載していない。なお、グループ企業への就職者を含むことがある。大学名の無印は国立大学、◎印は私立大学。大学に依り、大学院修了者を含む場合がある。社名の“HD”はホールディングス、“FG”はフィナンシャルグループの略。『ソフトバンク』は旧・ソフトバンクグループ4社の合計。 (協力:大学通信)

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【オワハラ時代の大学と就活】(07) 受験生&父母必読! 主要19大学の“財務力”と“運用力”を徹底分析

進学を考えている大学がしっかりした教育サービスを提供し、就職に向けた手厚い指導ができるか――。これを見極める前提として、大学経営の安定度を確認しておこう。 (『アビームコンサルティング』シニアエキスパート 松本康宏)

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私立大学法人では、収入を“帰属収入”、支出を“消費支出”と呼び、その差額(収支尻)は企業会計における当期利益に該当する。企業会計と同様に、大学でも赤字決算が続くと、自己資本を食い潰し、破綻に追い込まれる。記念行事等の特殊要因で一時的な赤字は許容範囲だろうが、恒常的に赤字が続くような状況ならば注意が必要だ。ここでは、日本の主要19私立大学の収入・支出面における特徴を、国立大学(東京大学)とアメリカの私立大学(ハーバード大学)等と比較してみよう(開示時期の問題から、東京大学は2014年3月期、ハーバード大学は2014年6月期)。端的に言えば、東京大学は補助金等で費用の大半を賄っている。ハーバード大学は、寄付金と資産運用収入で費用の半分を賄っている。日本の私立大学から見ると、羨ましい状況だ。

ここで取り上げた19私立大学で、収入である帰属収入から支出の消費支出を差し引いた収支尻を見ると、東京理科大学(マイナス3億円)・明治大学(マイナス16億円)・専修大学(マイナス8億円)の3校を除き、プラスとなっている。収入面における特徴は、授業料・入学金等の学生生徒等納付金の割合が高いことである。19大学では、学生生徒等納付金が全収入の平均62%に達する。但し、慶應義塾大学・日本大学・近畿大学等の医学部を運営している私立大学では、併設の大学病院に依る医療収入があり、学生生徒等納付金への依存度は3~5割程度と低いことがわかる。国立大学(東京大学)の場合は、学生生徒等納付金の割合は全体の収入の1割にも満たない。収入の6割近くは、政府等の公的機関からの交付金や補助金等で補充されている。一方で、私立大学の収入に占める公的機関からの補助金等は1割程度に留まる。これは、アメリカの私立大学であるハーバード大の場合(約2割)と比較しても低い。日本の大学の収入面では、政府等の公的機関に依る支援で、官(国公立大学)民(私立大学)格差が極めて大きいと言える。これまでに蓄積された利益又は損失は、“消費支出差額”として貸借対照表の右側の“負債”、自己資本である“基金”の次に掲載されている。この消費収支差額が赤字の場合は、これまでに蓄積された当期損失の累計額が赤字を意味し、“翌年度繰り越し消費支出超過額”と呼ばれる。消費収支差額の基金残高に対する割り合いを見れば、これまでに蓄積された赤字が自己資本である基金をどの程度、毀損しているのかがわかる。例えば、早稲田大学の翌年度繰り越し消費支出超過額は981億円。これに対して基金は3881億円なので、基金の25%を毀損していることになる(981億円÷3881億円×100)。19私立大学法人平均では、21%だ。

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【私の履歴書】JR東海・葛西敬之名誉会長(29) 理想の学校、設立に尽力…参画90社、全寮制で人間力育む

2000年に小渕恵三内閣が教育改革を打ち出したのに合わせ、経済界のシンクタンクが教育のあり方について提言を出した。私も1年半に亘って、提言の議論に加わった。痛感したのは、誰もが教育の被験者且つ関係者であるが故に、「100人いれば100通りの考えがある」ということだった。実践しかない。予て危機感を抱いていた教育分野で現実的な貢献ができるとすれば、自らが理想とする学校を作り、実績を示すことだ。支持を得られれば、自ずと輪が広がっていくであろう。同じ思いの『トヨタ自動車』名誉会長の豊田章一郎さん、『中部電力』会長(当時)の太田宏次さんと3人で、学校作りに向けた勉強会を始めた。現代は両親が共働きで、1人っ子という家庭が多い。先ずは、豊かな“人間体験”ができる環境を作りたい。また、塾に通う必要が無いように、国語・英語・数学の基礎を効率的・徹底的に教え、空いた時間は友達と議論をし、スポーツをし、本を読む。学校であると同時に家庭であり、社会でもある――。答えは“全寮制の中高一貫校”。3人の意見は一致した。課題は、寮での生活が規律正しく、目の行き届いたものになるかどうかだ。モデルの1つとなるイギリスのパブリックスクール『イートン校』を訪ね、校長(当時)のトニー・リトル先生からも話を聞いた。イートン校では、寮(ハウス)にハウスマスターと呼ばれる先生が家族と共に住み、高学年の学生を自分の補佐役にして生徒の面倒を見ていた。経験の無い私たちは、600年の歴史を持つイートンのようにはいかない。

「企業が作る学校だから、企業ならではの仕組みを導入しよう」――。考え出したのが、“フロアマスター制度”だ。1棟に60人の生徒がいるハウスを、専任教員でもある1人のハウスマスターと3人のフロアマスターで運営する。フロアマスターは、私たちの学校に賛同する企業の独身男性社員。毎年、交代で派遣してもらい、各フロアの生徒20人と起居を共にし、生活指導や人間力の育成に当たる。設立に当たり、約90社から200億円を超える寄付が集まり、2006年春、愛知県蒲郡市に『海陽学園・海陽中等教育学校』が開校した。初代校長は、『開成中学・高校』の校長を長く務めた伊豆山健夫氏である。現在、13歳から18歳までの約700人が共同生活をしながら学んでいる。最初は心細い様子の新入生も、9月頃にはすっかり逞しくなる。今春、4回目の卒業生を送り出した。有名校への合格自体が目的ではないが、進学実績も着実に出ている。フロアマスターは25社から28人。この制度は、企業の側にも大きなメリットがある。20人の子供たちを1年間に亘って面倒見続けた社員は、人間的に大きく成長して会社に戻ってくる。この間に得たヒューマンネットワークは、本人にとっても大きな財産だ。以前、この欄でも紹介したように、葛西家は代々、佐渡島の漢学者で、私塾を開いて子供たちに学問を教えていた。父も長年、東京都立高校の教壇に立った。一方、私は国鉄に入り、企業経営の道を歩んできた訳だが、今こうして学校教育に関わっている。縁と言うべきかもしれない。


≡日本経済新聞 2015年10月30日付掲載≡


テーマ : 教育問題について考える
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